伝統木版画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/08 06:38 UTC 版)
「江戸木版画」も参照 江戸時代に菱川師宣による墨摺絵から始まって丹絵、紅絵、漆絵、紅摺絵と発展、そして多色摺りとなる錦絵は鈴木春信らにより創始された。その後、東洲斎写楽などに引き継がれた浮世絵版画は、その大半は木版画であった。複数の版木を用い、多色摺り印刷を行うことができたが、版木が磨耗するなどの問題が生じた。自然と安定した画像を維持するため、印刷数には制限が出る。このため、現代の木版画にはシリアル番号などが割り振られ、版数管理を行っていることが多い。 現在でもこのような伝統的な技法を用いた木版画は、桜の無垢板が使用され、版木の厚さは、版の大きさにもよるが、反りを考慮して中判程度でも2- 3センチメートルほどもある。東京目白にあるアダチ伝統木版画保存財団や京都の竹中木版竹笹堂では浮世絵版画の復刻版を制作しているが、これらは喜多川歌麿や葛飾北斎などの原板から新しい版木に版下を彫り師が彫り、摺り師が色摺りをして、多くの作品を復刻、仕上げている。近代以降、新しい試みとしては現代の洋画家にオリジナルの版下を依頼し、それを復刻版同様に江戸時代からの技術で世に送り出している。
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