仮想水貿易とは? わかりやすく解説

仮想水貿易

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 04:56 UTC 版)

水の危機」の記事における「仮想水貿易」の解説

ミネラルウォーターなどの特殊な例を除き通常貿易対象とならない。しかし、多く貿易品生産が必要となることを考えると、商品の移動に伴い、その生産に必要とされた仮想水という形で取引されているとみなすことができる。特に、生産大量が必要となる農産物木材資源は、仮想水貿易を考え上でもっとも重要である。 例えば、小麦1 kg作るにはが1 t、米1 kg作るにはが2 t、牛肉1 kgには20 t程度必要となる。 水資源不足する国々にとって、仮想水輸入確保するための選択肢一つである。中東アフリカ諸国は、農産物輸入通じ国内不足しがちな水資源仮想水輸入補っている。しかしながら仮想水輸入には食料自給率低下もたらすという側面がある。農業技術が高度に発展したアメリカ合衆国ヨーロッパ連合国から輸出される農作物世界のシェア60 %にも達する。その量と価格低さは、乏し頼って生産される輸入国側の国内産品太刀打ちできるものではなく国内農業破綻による自給力の低下失業問題作り出す原因にもなりうる。 一方輸出国側は、仮想水輸出によって国内水資源消耗させている。アメリカ合衆国農産物輸出伴って国外放出している仮想水は、国内年間使用水量の1⁄15にあたる。米の主要輸出国であるタイにおいては、1⁄4に達する。これらの国々にしても無尽蔵水資源有するわけではなく一部地域では地下水の枯渇河川の断流が起こりつつある。仮想水輸入大国であるスリランカ日本では食料自給率低さもあり、世界的な水の危機食糧危機となって顕在化する恐れがある

※この「仮想水貿易」の解説は、「水の危機」の解説の一部です。
「仮想水貿易」を含む「水の危機」の記事については、「水の危機」の概要を参照ください。

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