交響曲第3番 (デ・メイ)とは? わかりやすく解説

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交響曲第3番 (デ・メイ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/11 15:12 UTC 版)

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Johan de Meij: Symphony No.3 "Planet Earth" - ヨハン・デ・メイ指揮、ジュゼッペ・ニコリーニ音楽院(it:Conservatorio_Giuseppe_Nicolini)吹奏楽団・合唱団による演奏。ジュゼッペ・ニコリーニ音楽院公式YouTube。

交響曲第3番「プラネット・アース」(Symphony No.3, "Planet Earth")は、ヨハン・デ・メイの作曲した管弦楽女声合唱、あるいは吹奏楽と女声合唱のための交響曲

概要

交響曲第1番第2番が当初吹奏楽のために書かれ、その後で管弦楽版が作られたのに対し、最初から管弦楽のために書かれたデ・メイの初めての交響曲となった。第2番はニューヨークの街への頌歌(Ode)であったが、第3番は対象を大きく広げ、地球への頌歌として書かれた。あらかじめ録音されたサウンドエフェクトが登場する点は第2番と共通するものの、「前二作とは違った音楽語法と手法を用いた」とデ・メイは語っている[1]。またこの作品ではグスターヴ・ホルスト組曲惑星」に倣って[2]第1楽章と第3楽章に六部の女声合唱が導入され、重要な役割を果たしている。

吹奏楽版は2006年コルチャーノ国際吹奏楽作曲コンクールに出品され、2位に入賞した。

作品の成立

  • 管弦楽版
北オランダ管弦楽団英語版の芸術監督(artistic director)であるマルセル・マンドス(Marcel Mandos)の依頼で作曲された。マンドスは交響曲第2番の管弦楽版の委嘱者でもある。初演は2006年3月2日ロッテルダムデ・トゥーレン英語版においてオットー・タウスクオランダ語版指揮の北オランダ管弦楽団と北オランダコンサート・クワイア(North Netherlands Concert Choir)によって行われ、好評で迎えられた[3]。楽譜はデ・メイの設立した出版社のアムステル・ミュージック(Amstel Music)からレンタル譜で提供されている。
  • 吹奏楽版
管弦楽版の成立に続いて着手され、2006年12月29日ヘンリー・アダムズオランダ語版指揮のブニョール・アルティスティカ交響吹奏楽団(Banda Sinfónica "La Artística" de Buñol)とバレンシア大学オルフェオン女声合唱団(Women's choir Orfeón Universitario de Valencia)によって、スペインアルテアで初演された。オランダ初演は2007年4月9日マーストリヒトにおいて。日本初演は2007年6月8日ザ・シンフォニーホールにおいて作曲者指揮の大阪市音楽団と大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団による。2007年にアムステル・ミュージックから楽譜が出版されている。

楽器編成

  • 吹奏楽版
編成表
木管 金管
Fl. 3, Picc. Tp. 4 Cb. 1
Ob. 2, C.A. Hr. 6 Timp. 1
Fg. 2, Cfg. Tbn. 3, Bass B.D., Cym.2, S.D., S.Cym., Large Tam-tam, Tri.2, Glass Chimes, Glock., Crotales, Mar., T.Bell, Vib., Xylo., Dobachi(E, A), Finger Cym., Rainstick, Templeblock
Cl. 3, E♭, Bass Eup. ●(or Baritone)
Sax. Alt. 2 Ten. 2 Bar. 1 Tub. 1
その他 チェロピアノチェレスタハープ女声合唱(六部)、サウンドエフェクト

楽曲

全3楽章からなり、演奏時間は約50分。各楽章はサウンドエフェクトで連結され、切れ目なく演奏される。また、作曲にあたっては何らかの物語を描写しようとしたものではなく、他の作品と同様に、喚起されるイメージはあくまで抽象的なものだとデ・メイは述べている[1]

  • 第1楽章 ロンリー・プラネット(Lonely Planet)
サウンドエフェクトの衝撃音で始まり、「ビッグバンが我々を大宇宙へと打ち上げる。彗星惑星たちが聴衆を囲む」[1]。そこに合唱や楽器群が「ホルストの『惑星』の終結と同じ楽器法、雰囲気」[1]の神秘的な響きで加わってくる。後半は「コンチネンタル序曲」(1995)と素材が共通する[2]開放的な響きでクライマックスを作り、再びサウンドエフェクトが現れて次の楽章に続く。
  • 第2楽章 プラネット・アース(Planet Earth)
第1楽章冒頭の荒涼とした風景とは対照的に、地上の田園的な光景が描かれる[2]。冒頭に現れるホルンのユニゾンによる旋律は、作品全体の核となり、全曲の要素を導き出していくごく少数の素材の一つである[1]
  • 第3楽章 マザー・アース(Mother Earth)
金管楽器のファンファーレで始まる。第二楽章の動機をもとにした活発な前半に対し、テンポを落とす後半は第一楽章の旋律が回帰し、楽団の機能を最大限に発揮した壮大な讃歌となる。合唱はホメーロス風讃歌の「ガイアへの讃歌」を歌う。

出典

  1. ^ a b c d e Anthony Fiumara. “Johan de Meij: Symphony No.3 Planet Earth”. 2017年5月4日閲覧。
  2. ^ a b c Johan de Meij. “Johan de Meij: Symphony No.3 Planet Earth (Orchestral Version)”. 2017年5月4日閲覧。
  3. ^ オランダの作曲家ヨハン・デメイの新作・交響曲第3番『プラネット・アース(惑星地球)』が世界初演される”. 吹奏楽マガジン Band Power. 2017年5月4日閲覧。

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