二硫化メチルとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 化合物 > メチル > 二硫化メチルの意味・解説 

二硫化メチル((CH3)2S2)

ニンニク様の特臭をもつ液体悪臭防止法規制物質一つ発生源クラフトパルプ製造業等

ジメチルジスルフィド

分子式C2H6S2
その他の名称二硫化メチル、二硫化ジメチル、2,3-Dithiabutane、Methyl disulfide、Dimethyl persulfide、ジメチルジスルフィド、Dimethyl disulfide、Dimethyl perdisulfide、Methyldithiomethane、ジメチルジスルファン、Dimethyl disulfane、Dithiobismethane
体系名:ジメチルペルジスルフィド、ジメチルペルスルフィド、2,3-ジチアブタン、メチルジチオメタン、ジチオビスメタン


ジメチルジスルフィド

(二硫化メチル から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 06:48 UTC 版)

ジメチルジスルフィド
識別情報
略称 DMDS
CAS登録番号 624-92-0 
PubChem 12232
ChemSpider 11731 
UNII 3P8D642K5E 
ChEBI
特性
化学式 C2H6S2
モル質量 94.2 g mol−1
外観 無色の液体
密度 1.06 g/cm3[2]
融点

-85 °C, 188 K, -121 °F [2]

沸点

110 °C, 383 K, 230 °F [2]

への溶解度 2.5 g/L (20 °C)[2]
蒸気圧 3.8 kPa (at 25 °C) Arkema data sheet
危険性
引火点 15 °C (59 °F; 288 K) [2]
発火点 370 °C (698 °F; 643 K) [2]
半数致死量 LD50 190 mg/kg (経口, ラット)[3]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジメチルジスルフィド(Dimethyl disulfide、DMDS)、別名二硫化メチル、二硫化ジメチル(Methyl disulfide)、ジメチルペルジスルフィド(Dimethyl perdisulfide)、2,3-ジチアブタン(2,3-Dithiabutane))は、有機硫黄化合物ジスルフィド)である。

刺激性が強く、ニンニクに似た特有の硫黄臭を持ち、特定悪臭物質に指定されている。一方で、タマネギキャベツなどの食品用香料として使用される。消防法に定める第4類危険物 第1石油類に該当する[4]

性質

引火性(引火点24℃)、爆発性(爆発限界1.1~16v/v%)があり、人体に有害。強酸化剤、強還元剤、強塩基と激しく反応する。オクタノール水分配比が1.77、水への溶解度は0.25g/100mLと難溶性。エタノールエーテルほか有機溶媒に易溶。

存在

コチなど一部の魚、アブラナ科の植物、ニンニクなどに含まれ、特に腐敗すると誘導体の分解により発生する。

中国北京市で作られている、豆腐ケカビを付け、塩漬けして発酵させた「青腐乳」(別名「臭豆腐」、「青方」)にはインドールフェノールジメチルトリスルフィド酢酸エチル、トリメチルヒドラジンなど[5][6]と共に含まれており、刺激性ある臭気成分が独特の風味として作用している。

用途

脱硫触媒用の初期硫化剤、農薬製造の中間体、硫黄の溶剤、チオメチル化剤、食品の香料。

工学用途では、略称のDMDSがよく使われる。オレフィンの構造異性体をGC(ガスクロマトグラフィー)分析する際、オレフィン部位のDMDS化を行うと分離能が向上する[7]

有害性

急性毒性があるが、慢性毒性、発ガン性、蓄積性はないか、低いとみられる。水生生物毒性があり、生物分解されない(BOD/TOD比=0%)

  • LD50 190mg/kg (経口 ラット)
  • LC50 1.1mg/L/96H (メダカ)

出典

  1. ^ a b Nomenclature of Organic Chemistry : IUPAC Recommendations and Preferred Names 2013 (Blue Book). Cambridge: The Royal Society of Chemistry. (2014). p. 708. doi:10.1039/9781849733069-FP001. ISBN 978-0-85404-182-4 
  2. ^ a b c d e f Record 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース
  3. ^ [1], EPA DMDS Fact Sheet
  4. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  5. ^ 馬艶莉 他、「青方腐乳關鍵揮發性風味物質研究」『現代食品科技』2015年5期pp316-321、広州、華南理工大学 [2]
  6. ^ 劉玉平 他、「臭豆腐中揮發性香成分提取与分析」『食品科学』、2011年32巻24期pp228-231、北京、中国食品雑志社
  7. ^ Dimethyl Disulfide Adducts

関連項目

外部リンク




二硫化メチルと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「二硫化メチル」の関連用語

二硫化メチルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



二硫化メチルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
九州環境管理協会九州環境管理協会
財団法人 九州環境管理協会(以下、「当協会」とします)ホームページに記載されている全ての文章、写真その他の画像等の著作権は、すべて当協会に帰属します。これらを無断で転載・複製することは、私的使用または引用として使用する場合を除き、著作権法で禁止されています。
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジメチルジスルフィド (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS