二俣事件との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 20:18 UTC 版)
「パレットナイフの殺人」の記事における「二俣事件との関係」の解説
1950年(昭和25年)1月に静岡県で起こった殺人事件および冤罪事件である二俣事件では、警察・検察側は、被疑者・被告人とされた少年Aは探偵小説の愛読者であり、犯行後、本映画のトリックを参考にしてアリバイを偽装した、と主張した。 同事件では犯行現場の柱時計が午後11時で止まっていたが、Aは、その時刻には支那そばの屋台を営んでいた父親の手伝いで、麻雀店に出前に行っていた。したがって、時計の止まった時刻が犯行時刻だとすると、アリバイが成立することになる。Aの自白調書では「前に探偵小説を見た時に、時計の針を動かして、悪いことをした時間をごまかして警察に見つからないにしたという偽装を思い出し」、午後9時半を指していた時計の長針を2回りほど回して偽装した、とされている。警察はAが本作を見たことを「自白」させ、実際に近隣で本作が上映されていたことを傍証とした。 しかし、弁護人の清瀬一郎は、「柱時計の針だけを廻して時間を進めただけでは、その時鐘はこれに伴わず、元の位置の鐘を打つに過ぎない」こと、事件後に被害者遺族が時計を動かしたときは、針の示す時刻通りに鐘が鳴っていたことを指摘して、針が動かされた形跡はなかったことを明らかにしている。なお、原作では犯人はアリバイ工作を行っておらず、このアリバイトリックは映画のオリジナルである。
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