二人の新人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:52 UTC 版)
「ジュリアス・アービング」の記事における「二人の新人」の解説
1979-80シーズン、リーグはマジック・ジョンソンとラリー・バードという2人の大物新人を迎える。驚異の新人2人は当時人気が著しく低迷していたNBAを空前の黄金期へと導く活躍を見せるが、アービングにとって若い2人のNBA入りは優勝への道に巨大な障害が横たわることを意味した。アービング率いる76ersはバードのボストン・セルティックスがファイナルに勝ち進む上で最大の障壁となり、またセルティックスを破っても、次に待ち構えているのがマジックのロサンゼルス・レイカーズだった。もっとも新人2人にとってもアービングは優勝を勝ち取る上での巨大な障壁であり、同じデビジョンに所属する76ersとセルティックスは当時最も熾烈なライバル関係の一つに数えられ、特にアービングとバードの個人対決は初期のエレクトロニック・アーツのビデオゲーム、『Julius Erving vs. Larry Bird One-on-One Basketball』で再現されるほどに注目され、ある試合では白熱のあまり両者の殴り合いにまで発展している。再編期を終えた76ersはアービングにパワーフォワードのダレル・ドーキンス、ポイントガードのモーリス・チークス、シックスマンのボビー・ジョーンズという新しい陣容で新シーズンを挑み、アービングはNBAキャリアでは最高となる平均26.9得点をあげ、76ersはアービングが加入して以降最高となる59勝をあげた。プレーオフではカンファレンス決勝でバードのセルティックスと対決。4勝1敗で破り、3年ぶりにファイナルに進出した。ファイナルではマジックとカリーム・アブドゥル=ジャバー擁するレイカーズと対決。第4戦では後々まで語り草となるアービングのベースラインムーブが飛び出すが、2勝4敗で76ersは敗退した。なお、このシーズンに発表されたNBA35周年オールタイムチームの11人の1人に選ばれるが、現役選手としてはジャバーとの2人のみ、またABA出身としてはアービングが唯一選ばれた。 翌1980-81シーズンに76ersは62勝20敗をあげ、アービングはNBAでは初のシーズンMVPを獲得。悲願の優勝を目指してカンファレンス決勝で再びセルティックスと対決し、3勝1敗でファイナルに王手を掛けたがその後3連敗を喫してしまい、ファイナルの舞台に辿り着くことはできなかった。1981-82シーズンも58勝24敗と高い勝率を維持。プレーオフではやはりカンファレンス決勝でセルティックスと3年連続の決戦を挑み、今回も第7戦までもつれた末にセルティックスを破ってファイナル進出を果たしたが、ファイナルではまたもやレイカーズの前に無念のほぞを噛んだ。すでにNBAでの地位を不動のものとしていたアービングだったが、相次ぐプレーオフでの敗退に彼のリーダーシップを疑う声も聞かれ始めた。
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