事務所の影響力による圧力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 07:47 UTC 版)
「吉本興業ホールディングス」の記事における「事務所の影響力による圧力」の解説
吉本は関西の最古・最大手プロダクションだけではなく日本最大手のプロダクションでもあり、ジャニーズ事務所やバーニングプロダクション、渡辺プロダクションなどの大手と同様、芸能界に影響力が強いことから専属契約に対する影響力は大きい。自分の意志で仕事を選べるほどの立場にない売り出し中の所属タレントに対しては雇用関係にきわめて近い拘束性・排他性を持っているほか、表だって吉本興業を離れた者や離反した者には、徹底して仕事を回さないよう芸能界に働きかける(いわゆる『干す』)力を持っており、離れる者はタレントとしての生活を諦める覚悟が必要とされていた。その例として、ルーキー新一のように吉本と対立した者、B&B、大平サブロー・大平シローコンビのように、東京進出のために反対を押し切って独立した者、横山やすし(横山やすし・西川きよし)や山本圭一(極楽とんぼ)のように、不祥事により吉本との専属契約を解除された者が挙げられる。特に不祥事を起こして契約解除された者の場合は他事務所と契約する例も皆無に等しく、事実上の芸能界追放となる。横山やすしのように、契約解除されたあとで他事務所に移籍しても細々と活動することしかできなかったりと、芸能界に戻れたとしてもかつての栄光を取り戻すことはできないケースが多い中、山本圭一のケースは10年間の芸能活動謹慎を経て吉本に復帰した希有な例であった。不祥事絡みではなく、大平サブローのように単に事務所に反旗を翻しただけのような場合は、厳しい条件を呑んだ上ではあるが吉本興業に復帰した例もある。 なお、吉本興業時代にメジャーデビューを果たせずに契約を解消し、ほかの事務所に移籍したあとにメジャーデビューを果たしたタレントと現在吉本興業に属するタレントとの共演は可能である(竹山隆範、スギちゃん、スピードワゴン、Hi-Hiなど)。またメジャーデビューを果たしていても、当時無名に近かった板尾創路が不祥事を起こした際は数か月間の芸能活動自粛で済んだなどの場合があった。ほかに横山ノックのように、吉本に在籍したうえで吉本を離れたあとも吉本の舞台に出演し続ける事を条件に、円満に契約解消した例もある。前述する通り、売れっ子になれば高額の報酬が得られるため、吉本でメジャーデビューを果たせずに移籍する以外に、吉本から移籍・独立するタレントは少なかった。しかし、労働契約の実態については、所属タレントは原則として各々が「個人事業主」の立場で吉本と契約していることや、契約の内容も前述のとおり自身のマネジメントを芸能プロダクションに委任する「委任契約」であり、「雇用責任」という前提が端からあり得ないため、労働条件などについて司法で争われたことはない。
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