事件に関する推察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 14:11 UTC 版)
「フィンエアー915便撃墜未遂事件」の記事における「事件に関する推察」の解説
パイロットらはミサイルがソ連から飛来してきたと確信し、コラ半島または潜水艦から発射されたと推測していた。彼らがヘルシンギン・サノマット紙に語った際、ある種の軍事演習だと思ったと述べ、それが演習の計画通りに実行されたか、あるいは失敗したと考えた。前者の場合、915便が演習の標的として使われたことを意味していた。可能性のひとつとして考えられたことは、その3年前にフィンランド北部で起きた「イナリ湖ミサイル」と呼ばれた件と同様の誤射という点であった。 軍事技術、特に核兵器システムの専門家であるフィンランド国防大学のステファン・フォルス教授(戦略学(英語版)・軍事学)は、米ソ両大国が締結した中距離核戦力全廃条約が事件の同年初頭に批准された結果、廃棄予定の中距離射程弾道ミサイルあるいは巡航ミサイルといった従来の地上発射型ミサイルは、その翌年の7月下旬になってようやく削減が開始されたことから、そうしたミサイルであるはずはないと指摘した。 トゥルクの日刊紙トゥルン・サノマット(英語版)は、1988年から1996年までフィンランド国防軍の対空監察官を務めたアハティ・ラッピ大佐(引退済)にインタビューを実施し、その際に大佐は以下のように述べた: ミサイルの航跡、特に軌道を変えたという事実は地対空ミサイルであることを示唆している。弾道ミサイルに高度10,000メートル以上で進路を変える能力はない。パイロットの見立ては正しかったと信じていると大佐は述べた。 ソ連領のノヴァヤゼムリャやコラ半島は、当時最重量の対空兵器を以てしてもスヴァールバル諸島からは遠すぎる。このように水上艦からミサイルが発射されたと大佐は考えがちである。 しかし、その巨大な雲煙は大佐の見解であるS-125のものではないともされる。そのミサイルの60キログラムの重量では目を見張るほどの爆発にはならない。
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