予防医学
1929年英国の細菌学者フレミングは、感染症に対する治療医学の有力な手段となったアンチバイオティクス(抗生物質)を発見しました。そのころ日本の医学者代田稔は、病気にかかってから治療するのではなく、病気にかからないための「予防」が重要であると考え(予防医学)、腸内の感染菌や腐敗菌などの悪い菌を制する乳酸菌シロタ株を発見し、プロバイオティクスのパイオニアとなりました。
予防医学は、1953年米国の医学者レベルとクラークにより「病気を予防し、生命を延長し、身体ならびに精神の健康と能力を増進する科学と技術である」と定義され、健康増進・発病予防は一次予防、早期発見・早期治療は二次予防、機能維持・回復は三次予防と呼ばれています。
21世紀に入ると、感染症に代わって生活習慣病が人類を脅かし始め、生活習慣を改善することにより疾病の発症や進行を予防する一次予防が重要な社会的課題となり、代田が予見し提唱した予防医学の時代が到来しました。
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