主要ジャンプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 15:07 UTC 版)
「ジャンプ (フィギュアスケート)」の記事における「主要ジャンプ」の解説
ISU(国際スケート連盟)によってジャンプ要素として認められている(すなわち、ISUが公認する競技会で“ジャンプ”として採点対象になる)ものは次の6種類である。 トウループ (Toe loop、略記:T) <難易度:最低> 踏み切る瞬間に、着氷時のスケーティングレッグのバックアウトエッジに乗り、後向きに踏み切るトウジャンプ。 コンビネーション(連続)ジャンプ(後述)の第2、第3ジャンプとしてもよく用いられる。 1920年代に、スケート選手ではなくアイスショーの役者であったブルース・メープス (Bruce Mapes) が行ったのがその始まりである。 現在、ISU公式競技会で4回転トウループを成功させている選手は男子では複数人、女子では2人 (アレクサンドラ・トゥルソワ、カミラ・ワリエワ)。ISU公式競技会で4回転トウループを初めて成功させた選手は、男子ではカナダのカート・ブラウニング(1988年:世界選手権)、女子ではロシアのアレクサンドラ・トゥルソワ(2018年:世界ジュニアフィギュアスケート選手権)。 サルコウ (Salchow、略記:S) <難易度:低> 踏み切る瞬間に、着氷時のスケーティングレッグとは逆脚のバックインエッジに乗り、フリーレッグの遠心力を使って後向きに踏み切るエッジジャンプ。エッジが氷を離れるまで上体が1/2回転程先行し、エッジも離氷前に氷上で1/2回転程回転するのが特徴。 20世紀初頭に、スウェーデンのウルリッヒ・サルコウ (Urlich Salchow) が行ったのがその始まりである。 現在、ISU公式競技会で4回転サルコウを成功させている選手は男子では複数人、女子では4人 (安藤美姫、アレクサンドラ・トゥルソワ、エリザベート・トゥルシンバエワ、カミラ・ワリエワ)。ISU公式競技会で4回転サルコウを初めて成功させた選手は、男子ではアメリカのティモシー・ゲーブル(1997年:ジュニアグランプリファイナル)、女子では日本の安藤美姫(2002年:ジュニアグランプリファイナル)。 ループ (Loop、略記:Lo) <難易度:中> 踏み切る瞬間に、着氷時のスケーティングレッグのバックアウトエッジに乗り、後向きに踏み切るエッジジャンプ。氷上での回転 (プレローテーション) を利用して空中での回転の力を得るので、エッジは離氷前に氷上で1/4回転程回転するのが特徴。 コンビネーション(連続)ジャンプ(後述)の第2、第3ジャンプとしてもよく用いられる。 1910年に、ドイツのヴェルナー・リットベルガー (Werner Rittberger) が行ったのがその始まりである。 現在、ISU公式競技会で4回転ループを成功させている選手は男子では複数人、女子はまだいない。ISU公式競技会で4回転ループを初めて成功させた選手は、男子では日本の羽生結弦(2016年:オータムクラシック)。 フリップ (Flip、略記:F) <難易度:中高> 着氷時のスケーティングレッグとは逆脚のバックインエッジにのって後向きに踏み切るトウジャンプ。空中での回転と同じ向きのターンから行う。 インサイドエッジにのっていないフリップジャンプは、俗に「リップ (Lip) 」と呼ばれることもある。 その発案者の記録が残っていない唯一のジャンプであるが、1930年代迄には既に頻繁に行われるようになっていた事実は知られている。 現在、ISU公式競技会で4回転フリップを成功させている選手は男子では複数人、女子では2人 (アレクサンドラ・トゥルソワ、アンナ・シェルバコワ)。ISU公式競技会で4回転フリップを初めて成功させた選手は、男子では日本の宇野昌磨(2016年:コーセー・チームチャレンジカップ)、女子ではロシアのアレクサンドラ・トゥルソワ(2019年:グランプリファイナル)。 ルッツ (Lutz、略記:Lz) <難易度:高> 着氷時のスケーティングレッグとは逆脚のバックアウトエッジにのって後向きに踏み切るトウジャンプ。アウトエッジで踏み切ることによりジャンプまでに体にかかる回転の力の方向と、空中での回転の方向が逆になる唯一のジャンプ。 アウトサイドエッジにのっていないルッツジャンプは、俗に「フルッツ (Fluz) 」と呼ばれることもある。 1913年に、オーストリアのアロイス・ルッツ (Alois Lutz) が行ったのがその始まりである。 現在、ISU公式競技会で4回転ルッツを成功させている選手は男子では複数人、女子では3人 (アレクサンドラ・トゥルソワ、アリサ・リュウ、アンナ・シェルバコワ)。ISU公式競技会で4回転ルッツを初めて成功させた選手は、男子ではアメリカのブランドン・ムロズ(2011年:NHK杯)、女子ではロシアのアレクサンドラ・トゥルソワ(2018年:JGPアルメニア大会)。 アクセル (Axel、略記:A) <難易度:最高> 着氷時のスケーティングレッグとは逆脚の前向きアウトエッジに乗り、フリーレッグを振り上げ前向きに乗り踏み切るエッジジャンプ。 前向きに踏み切る唯一のジャンプである。そのため、他のジャンプより半回転多く回転する必要があるので難易度が高い。日本では~回転半ジャンプとも呼ばれる所以である。 1882年に、ノルウェーのアクセル・パウルゼン (Axel Paulsen) が行ったのがその始まりである。 トリプルアクセル(3回転半)には、男子選手ではカナダのヴァーン・テイラー(1978年:世界選手権)が、女子選手では日本の伊藤みどり(1988年:NHK杯)が初めて成功した。
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