主翼上面配置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 00:23 UTC 版)
採用例は非常に少ないが、主翼上面にパイロン状のストラットで支持した方式がある。これを採用しているのは、ドイツ製の VFW 614 や、2004年に飛行試験を実施したホンダジェットなどがある。また、水上滑走時にエンジンが水飛沫を吸引することを防ぐためBe-200などのジェット飛行艇も同じようなエンジン配置をとる。この方式の特徴として以下のようなものが挙げられる 利点 主翼下パイロン懸架方式と同様に、機体重心を機体中心近くに置くことができる 主翼上に支持させることにより、飛行中に主翼に生ずる揚力によって翼付け根に加わる、曲げモーメントを緩和させることが出来る 主翼下がクリアになるため、降着装置が短くて済み、降着装置重量が軽減出来る ウォーターラインでの重心位置近くに推力線を置くことが出来る(低翼の場合) 地面とエンジンとの距離をとれるため、エンジンへの異物の侵入を防ぎやすい 欠点 主翼上面にエンジンナセルがあることにより、翼上面の圧力分布の乱れに伴う揚力分布の悪化 主翼に集中質量があることによる主翼のフラッタ特性の悪化 胴体とエンジンナセル間がチャネルフローになり、この部分の空力特性把握が難しい 民間機の場合、主翼近くの乗客の視野が狭まったり、近くにエンジンがあることによる心理的影響が否定出来ない(低翼の場合)
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