主なオンチップ・エミュレータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 03:31 UTC 版)
「オンチップ・エミュレータ」の記事における「主なオンチップ・エミュレータ」の解説
オンチップ・エミュレータでは、ホストパソコンの操作に応じてプロセッサとエミュレータ・ユニットが通信を行い、内部のレジスタや、バス接続されたROMやRAMなどのデバイスの情報を取得、変更することで、エミュレートを実現している。その一例を以下に示す。 JTAGエミュレータ プロセッサに内蔵されたJTAGポートによってエミュレータ・ユニットと通信を行う方式。バスの操作も自由に行えるので、周辺装置のデバッグなど応用範囲も広い。比較的規模の大きいプロセッサで採用されている。プロセッサにバス接続されたフラッシュメモリへの書き込み機能を併せ持つことが多い。 専用エミュレータ プロセッサに内蔵されたデバッグ専用インタフェースによってエミュレータ・ユニットと通信を行う方式。外部バスを持たない小規模なプロセッサで採用されることが多い。ルネサス エレクトロニクスのMINICUBEやE8、モトローラ(フリースケール)のBDMなどの例がある。 リモートモニタデバッガ ROMの一部にプロセッサの情報を収集するためのモニタプログラムを書き込んでおき、UARTやUSBなどを介してこのプログラムとホストパソコンが直接通信を行う方式。この方式は、エミュレータ・ユニットを必要としない。GDBを使った遠隔デバッグもこの一種である。通信速度が直ちにボトルネックになるなど制約が大きい方式ではあるが、最も低コストで実現できるため、電子工作などのホビー用途では多く使われている。 ROMエミュレータ 主にDIP型のROMソケットに専用プローブを挿入し、プロセッサに直接任意の機械語を送り込むことで、情報を収集する方式。比較的古くから使われている方式だが、ROMのパッケージングが制約されたり、高速なプロセッサへの対応が難しいなどの理由で、近年は使われることが少なくなっている。
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