中所由利雄(なかぞ ゆりお)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 05:11 UTC 版)
「笛吹 (小説)」の記事における「中所由利雄(なかぞ ゆりお)」の解説
物語の主人公。高等小学校一年→三年→中学二年生→五年生→第一高等学校一年。伯父の家に寄宿しており、高等小学校一年の時に家族が由利雄一人を残して渡米し、三年の時、13歳で家族の悲報を聞き、孤児となる。中学生の時は二里半の道程を徒歩で登校していた。中学二年時の担任、桜井からは奇妙な性格の子供だとみられており、成績も45人の生徒の中で下から三分の一に近いところにいたが、少しずつ良くなり、四年生の二学期には薬袋を追い越して首席になる。朝子の紹介で島崎藤村の『小諸なる古城のほとり』を教えてもらい、『藤村詩集』を読み、詩や和歌の教授を受けることになり、その代わりに朝子に英語を教えることになる。中学の英語教師の紹介でワシントン・アーヴィングの『スケッチ・ブック』に熱中し、原書を手にいれて読むようになる。中学五年の時は二組で、桜井のクラスで、成績順で組長に任命されるが、その直後、入試問題漏洩事件が発覚し、自身が手放した四年の国語の教科書から後述の切り拔きの手紙の文字を切り取ったと思しき形跡が発見され、その犯人と疑われる。結果、桜井から退学をすすめられ、朝子の勧めもあり、飼山を頼って上京することになる。東京では、飼山の勧めで笹川の下宿に寄宿することになり、第一高等学校入学後は、朝子と同棲する。一高退学後の翌年の4月に千葉医学専門学校に入試に合格して、千葉市に居を構える。
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