中央省庁における位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 10:19 UTC 版)
中央省庁(地方支分部局を除く)における課長職は、いわゆるキャリアが就くことがほとんどである。 人事院が定義づけている課長は、構成員10名以上の長または2係以上の係を統括する責任者としている。「人事課採用係」など、課の下に係が存在し、一般的には係長の上司である。 ※ 実際には課長と係長の間に室長級(室長、企画官、監理官など)や課長補佐級(課長補佐、室長補佐など)の職員が多数在籍することが多く、係長はプレイングマネージャー的な存在で係の実質的なトップ(係長の上司)は課長補佐、という場合が多い。中央官庁においては、地方支分部局の課長級(=1ランク上の職位、任命権者が中央官庁の長である者)に当たる課長補佐と、地方支分部局の課長補佐と同格(=任命権者が地方支部分局の長である者)に当たる課長補佐が混在しており、係長は地方支分部局の係長と同ランクの職位であるため、中央官庁における課長と係長の格付けの差はかなり大きいものとなる。また室長級の職務命令権者は課長と同じ部次長とされている(=室長級の上司は課長ではなく部次長扱い)が、実際は室長級職員が課内の中に配置され、日常業務など細部においては課長からの指揮命令を受けているというのが実情である。それゆえ同じ中央官庁の課長は民間に比べて相対的に地位が高く、係長との間に相当な懸隔があり、係長以上の役席を数十人束ねる例も珍しくない。中央官庁ではないが警視庁の捜査一課長などは係長以上40名近くを含め課員350人を統括している。これに対し、民間では係長のすぐ上が課長か、せいぜい副課長、課長代理が間に一人立つ程度の場合が多く、課員が三桁という例は滅多にない。 なお、○○課長と呼ばれる一般の課長の他に、参事官、○○官等と呼ばれる課長級分掌官も設置されている。 ※参事官以外の課長級分掌官として、管理官、評価官などがある。ただし「○○官」がすべて課長級ということではない。課長級のほか次官級(省名審議官)、局長級(審議官、統括官など)、室長級(企画官など)、課長補佐級(専門官など)などの「○○官」もあり、それらの区別を判断するには設置根拠である政令・府省令の該当条項を確認することなどが必要となる。例えば、外務省の場合、外務報道官と国際報道官はともに大臣官房直下に置かれる役職であるが、前者が局長級で後者が課長級であることは役職名だけでは判断できない。外務省組織令あるいは公式ウェブサイト等を参照することが必要である。さらに同名であっても同格とは限らず、たとえば国土交通省大臣官房の調査官は課長級、会計検査院の調査官は課長補佐級、文部科学省の調査官は係長級といった具合である。
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