中国大陸、台湾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 05:04 UTC 版)
中国では、一般に、籠に並べて天日干しにすることが多いため、蔕が中心部にある円盤状の干し柿となり、「柿餅」(拼音: shìbǐng シービン)と呼ばれる。中国語の「餅」は円盤状のものをいう。 皮をむく方法として、足踏みなどで動く回転式皮むき機がよく使われている。この外、水酸化ナトリウムを加えたエチルアルコールに浸してから、水酸化ナトリウム水溶液に2分ほど漬けて皮を溶かす方法も用いられている 乾燥は、一般的に「柿篩」と呼ばれる直径1mほどの粗い目の籠に、蔕が上になるように並べ、籠を竹などを組んで作った棚に置き、日干しにする。約10日で蔕が落ち込むようにしなびるので、平らに押しつぶして、ひっくり返して干す。約3日毎に同じように押してはひっくり返す作業を、表面が湿らなくなるまで3-4回繰り返す。他に、紐で蔕を結んで吊す方法もあり、その場合も、途中で紐から外して平らになるように押して整形し、籠で日干しする事が多い。ただし、日本への輸出向けに作られているものは、日本の乾し方に準ずる。また、天日干しの他に、40℃ほどの温風を当てて人工的に乾燥させる方法もある。 乾燥しすぎない状態で「起霜」と呼ばれる工程を行う。甕に干した柿の皮を敷き、日干しした柿を2つずつ蔕側を合わせるようにして並べ入れ、上にまた柿の皮を敷き、順に何層もいっぱいになるまで詰めてふたをし、冷たい場所で保存すると、表面に霜が十分に出る。霜が出た後、甕から取り出して少し日干しし、カビが出たり、霜が溶けてしまわないようにする。保存や出荷には目の粗い籠を使い、さらに水分を減らしたり、粉をふかせたりする。 中国大陸の産地としては山西省、陝西省(富平県など)、河南省、山東省などの華北・華中が多いが、華南では福建省永泰県が産地として著名である。 台湾では客家が多い新竹県の新埔鎮、北埔郷、峨眉郷などが「柿餅」の産地としてよく知られているが、中国大陸部と同様に籠に並べて天日干しにする。
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