中世・隠者の死生観とは? わかりやすく解説

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中世・隠者の死生観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 02:22 UTC 版)

死生観」の記事における「中世・隠者の死生観」の解説

中世はまた「侘び(わび)」「寂び(さび)」という日本独自美学上の概念生んだ時代でもあった。ここでは、当時少数派であったものの後世影響力大きかった隠者文学における死生観を扱う。 隠者とは俗世との交わり避け隠遁する者達で、西行鴨長明吉田兼好近世ではあるが松尾芭蕉も)が代表的な隠者文学とされる隠者環境厳しいところがあり、最低限草庵での閑寂その場であったがそれに安まらず旅に出る者も多かった動機は強い無常観であり精神生活支えるものは美と信仰であったという。彼らは旅の中でわびしい花鳥風月多く詠み芭蕉は『笈の小文』のなかで「鳥獣離れて造化にしたがひ、造化へかへれとなり」と述べる。この造化とは造物神によって創られた森羅万象大自然の意である。 美の観念言葉説明しがたい性質のものである西行の句を例に挙げてみる。 「(A)津の国のなにはの春は夢なれや (B)蘆の枯葉に風わたるなり」 (A)でなには(難波)の春のように一切は夢であると感じること (B)その一切は夢だということ(あし)の枯葉さびしさ象徴させて感じること この二つ合わせることで蘆の枯葉一切万有さびしさ感じられる風情帯びるわけである。 さび系の美とは万有悲しみ無常)を美の中に具体的に一木一草などに)見ることであったがその行き着いたところは死への美的安心であった。それは以下の句表れている。 願はくは 花のもとにて 春死なむ その如月望月のころ 西行 中世文学研究者石田吉貞によると「わび」は隠者生活の物質的側面わびしい質朴さを基調とするものから出、「さび」は前述したように無常をものの中に見出しそこに美を感じ取るのであるという。

※この「中世・隠者の死生観」の解説は、「死生観」の解説の一部です。
「中世・隠者の死生観」を含む「死生観」の記事については、「死生観」の概要を参照ください。

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