不貞、背信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 15:00 UTC 版)
イタリアでは、伸ばした2本の指を角に見立てて本人に見つからないように後ろ頭から出す、あるいは妻(稀に夫)に騙されていることを示唆するために相手に突きつけたりする。イタリアでは、男女を問わず、「自分のパートナーが浮気をすると、(浮気された方に)角が生える」と言われている。 古典ラテン語の「cornutam」(コルヌータム)には「光線で輝く」「光輪で包まれた」という意味と「角の生えた」という意味の両方があったが、ラテン語から派生したイタリア語の「cornuto」(コルヌート)には「角の生えた」という意味しか残らなかった。現代イタリア語の「cornuto」には、「角の生えた」の意味の他に、暗喩として「妻を寝取られた(男)」「夫に浮気された(女)」の意味がある。 写真を撮る時に人の頭にコルナを乗せるのはごく一般的なジョークである。外国へ旅行に行く若いイタリア人が、グループで写真を撮る際に背中からこの指を出しているのに気付くこともあるだろう。これはフィルムカメラの時代には有効であったが、デジタルカメラの現代にはあまり驚きをもたらすものではなくなってきているようだ。このジョークは他国でもよく行われるが、人差し指と中指を立てた「ウサギの耳」(≒ピースサイン)で行われる。しかし「ウサギの耳」のジェスチャーには背信との関連は全くなく、単にユーモラスないたずらにしか過ぎない。日本においてはむしろ鬼の"角"として指一本(人差し指を立てた状態)で行われることのほうが多い。これは鬼の様に怒りっぽいなどの比喩もあるが殆どは上記と同じイタズラ・ジョークである。一時は流行ったが今ではほとんど見られない。 侮辱的なコルナは、様々な職の中でもとりわけサッカーの審判員に向けられる傾向にある。というのも、イタリア人の間では、贔屓のサッカークラブの敗北を、無能、あるいは賄賂を受けている、その他不適格な審判員を責める際に使われる習慣があるためである。これは常套手段として既に固定観念になっている。これに値する最も憎まれた(最も侮辱的なコルナを甘受した審判員)は、おそらくバイロン・モレノであろう。 これらの起源はミノタウロスの伝説まで遡ることが出来る。彼はパシパエと白い牛の間に生まれ、クレタ島のミノスに背いた。角の生えたミノタウロスは、裏切りの最も顕著な証となり、シンボルとなっていったのだ。
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