不審船(北朝鮮籍)の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 17:13 UTC 版)
本稿では北朝鮮の工作船と見られる不審船について述べる。不審船を発見するための着眼点として、以下の特徴があげられる。 日本や中国の漁船に偽装している。 短波無線機などによる、無線装備の充実をうかがわせる多数のアンテナの装備。 マストに設置されるレーダーの位置を、通常の漁船よりも高い位置にして、日本の巡視船や漁業取締船の接近をいち早く察知して回避行動をすることがある。 船首に漁具が搭載されていないか、あるいは搭載されていても使用された形跡がない。 船内に、外見を日本の沿岸部でよく見かける小型漁船のように偽装した上陸用の小型高速艇を搭載し、船尾にその出し入れ用の観音扉がある。一方、危険な韓国への潜入に際しては、「半潜水艇」という特殊艇を搭載する。韓国においては、スパイ容疑の不審船が逃走を図った場合は、韓国軍が容疑者もろとも不審船を撃沈することになっているからである。 灯火を完全に消灯し、工作員は夜陰に紛れて人目につきにくい海岸から密入国を図る。あるいは、過疎地の漁港などに人目を避けるようにして船を接岸させる。 船内に武器を隠匿している。自沈した工作船を引き上げた調査では、自動小銃に加え、対空火器や対戦車兵器を含む多数の武器を搭載していた事が明らかになった。 ロシア等の諸外国から導入した強力なディーゼルエンジンを搭載しており、同型の漁船と比べて10倍の馬力と2倍の速力を持つ。これにより軍艦と同等以上の高速航行が可能。ただし、海上保安大学校の研究チームが九州南西海域工作船事件の際に引き上げた不審船を検分したところ、波の高さ3メートル以上の悪天候においては速力が大幅に低下するとみられる。 工作員や密輸品を受け入れるため、土台人がレンタカー等の車両で深夜の海岸に乗りつけ、沖合にいる不審船との間で発光信号や携帯電話による通信をすることがある。特に、複数の密入国者の受け入れや覚せい剤の輸送に便利な車両として、保冷車やアルミバン等の貨物自動車を好んで使用すると言われる。 北朝鮮国籍の貨物船が、工作船として使用された疑いもある。
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