不可能に近い所在確認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/17 02:30 UTC 版)
「全米カナダ邦人安否確認システム」の記事における「不可能に近い所在確認」の解説
日本国外に3ヶ月以上滞在する日本人は、在留届の提出を義務づけられている。 在留届は、緊急事態発生時に在外公館が在外日本人の安否確認、緊急連絡や援助を行うための連絡先として用いるものであるが、実際には提出していない者が多い。また提出済みであっても転職、引越、帰国などに伴う緊急連絡先の変更届の提出を怠っている者も多い。大規模な災害時などに、限られた数の在外公館職員が在留届を元に一人一人の安否を確認していくのは大変な作業だが、「既に日本に帰国していた」など手元にある在留邦人データが必ずしも最新情報ではないため無駄となってしまう作業も多い。 また最近の旅行者は、添乗員付きのパッケージツアーよりも旅行先・滞在先を自由に選ぶ個人旅行を好むため、旅行代理店などを通しても緊急時の連絡が非常につきにくくなっている。出張者ではないバックパッカーなどの旅行者は携帯電話や滞在地における連絡先を持っておらず、緊急時に連絡をとるのが困難である。 緊急事態時には、被災地に安否の確認を求める電話が集中し、時には通信機器や回線が被災して全体の通信許容量が減るために電話がつながりにくくなる災害型輻輳(ふくそう)が起こる。通信インフラストラクチャー自体にダメージがなくとも、電話会社が通信許容量を減らして輻輳を制御することもある。1995年の阪神・淡路大震災では輻輳状態が5日間も続いた。そのため日本国内では輻輳状況を緩和するために1998年3月31日より災害用伝言ダイヤルを設けて、伝言を日本全国数十箇所にあるサーバーに分散させて蓄積し、被災地の集中受信を避ける形で比較的スムーズな安否確認を可能にしている。この災害地伝言ダイヤルの海外版が、全米カナダ邦人安否確認システムである。
※この「不可能に近い所在確認」の解説は、「全米カナダ邦人安否確認システム」の解説の一部です。
「不可能に近い所在確認」を含む「全米カナダ邦人安否確認システム」の記事については、「全米カナダ邦人安否確認システム」の概要を参照ください。
- 不可能に近い所在確認のページへのリンク