不可能な作図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 08:05 UTC 版)
「定規とコンパスによる作図」の記事における「不可能な作図」の解説
ギリシアの三大作図問題:ギリシア時代の数学者たちによって次の3つの作図が定規とコンパスによって可能か、という問いが立てられた 与えられた円と等しい面積をもつ正方形を作ること(円積問題) 与えられた立方体の体積の 2 倍に等しい体積をもつ立方体を作ること(立方体倍積問題,「デロス島の災難」の問題) 与えられた角を三等分すること(角の三等分問題) 現在ではこれらは全て定規とコンパスのみでは作図できないことが証明されている。1837年にヴァンツェルは、角の三等分問題と立方体倍積問題は三次方程式を解かなくてはならないことを示した。非自明な三次方程式の根によって生成される体は拡大次数が 3 になってしまい、そのような数を座標にする点は作図できない。倍積問題はある線分を2の3乗根(無理数)倍に伸ばす方法の導出、円積問題は、方程式 x2 = πr2 の解を求めることと同値である(π は円周率)。1882年に、リンデマンにより π が超越数であることが証明され、作図が不可能であることが示された。 なお、不可能であることが示されているにもかかわらず、いまだに角の三等分が作図可能であることを示そうとする人々がおり、角の三等分家 (Trisector) と呼ばれている。定規やコンパス以外の道具を使用したり、定規やコンパスを本来とは異なる使い方で使用することで角の三等分を作図(あるいは工作等)することは可能であるが、当然ながら、これらは元々の「角の三等分問題」に対する解答ではない。また、「任意の角を三等分する」という問題であるのに、これを「少なくとも一つの角を三等分する」問題であると勘違いし、直角などが三等分できたのでこの問題を解けたと速断する人もいる(角度によっては定規とコンパスで、その角度の1/3の角度を作図できる)。
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