三重県初の村立図書館(1908-1928)
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1908年(明治41年)8月24日、義務教育が4年から6年へ延長されたことを記念して、志摩郡鵜方村(現・志摩市阿児町鵜方)に村立鵜方図書館が設立された。これは村立としては三重県で最も早くできたものであり、三重県全体でも阿山郡教育会附属図書館(阿山郡上野町、現・伊賀市上野図書館)、交修図書館(宇治山田市、伊勢市立伊勢図書館の源流)、神宮文庫(宇治山田市、現存)、玉滝記念図書館(阿山郡玉滝村、現存せず)、鞆田村教育会附属図書館(阿山郡鞆田村、現存せず)に次ぐ6番目に開館した図書館であった。なお明治時代に開館した三重県の公立図書館は村立鵜方図書館と四日市市立図書館のみである。 村立鵜方図書館は、鵜方尋常小学校(現・志摩市立鵜方小学校)内に設置され、設置準備期間を経て1909年(明治42年)1月1日に正式に開館した。その後、磯部村坂崎(現・志摩市磯部町坂崎)の坂崎尋常小学校の尋常科5・6年生を鵜方尋常小学校が受け入れることが決まり、校地の拡張と校舎の増築が行われ、1911年(明治44年)に増築校舎の中に図書館が移った。開館当時の蔵書数は3,328冊で、立派な蔵書印が押印された。初代館長の森口広吉は図書館活動に熱心に取り組み、近くの棲鳳寺で未生流生花展や名家の色紙展を開催するなど、文化事業も活発に行った。このため「模範村」として表彰を受けている。しかし森口館長の退任後は図書館活動が停滞してしまう。 続いて1914年(大正3年)10月31日に度会郡神原村山原(現・志摩市磯部町山原)に私立神原第二図書館、1924年(大正13年)7月28日に志摩郡的矢村に的矢図書館、同年12月12日に磯部村に皇太子殿下御成婚記念磯部村立磯部図書館が開館している。神原第二図書館は成基尋常高等小学校、的矢図書館は的矢尋常高等小学校、磯部図書館は磯部尋常高等小学校に併設され、いずれの図書館も蔵書数300冊に満たない小規模図書館であった。このうち神原第二図書館は、和漢書60部86冊で開館し、1923年(大正12年)には302部354冊に増加、閲覧者数は350人であった。
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