三重県のサメ消費
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 10:12 UTC 版)
三重県の伊勢市と鳥羽市沿岸部全域ではサメのタレ(「さめんたれ」とも)と呼ぶサメの干物を食べる風習がある。鳥羽市では主にハモやタイの延縄漁の外道として水揚されたサメから生産され消費もされるが、伊勢市では消費のみで、サメの水揚量が多い勝浦漁港などの和歌山県や気仙沼漁港のある宮城県で水揚あるいは加工された干物が流通している。三重県以外の生産地ではサメのタレと呼ばず、さめしお・さめみりんなどと呼ぶことが多い。原料が外道であることもあり、加工するサメの種類は特に問わず、ホシザメ、シュモクザメ、トラザメ、ネコザメなどさまざまである。 サメのタレは塩味のものと、大正時代に考案されたというみりん味の2つに大別される。いずれも基本的に短冊状にサメの身を薄く切り出す。小魚と違い、魚の形をとどめない。直火で軽くこげる程度にあぶって食べることが多いが、ほかにもさまざまな利用法がある。 伊勢神宮の神饌を下げたあとに食べた(直会参照)ことによりサメの干物を食べる風習が残ったとする説があるが、この説では神宮神職と縁のない庶民や、鳥羽市全域に残ったことを説明できない。 サメのタレ以外では、鳥羽市では鮮度の高いサメを3枚におろし刺身で食べるが、タイに似た味がするという。志摩市志摩町ではサメをなますにして食べるさめなます(「さめのなます」とも)という郷土料理があるが、ネコザメに限るという。
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