万葉研究
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万葉研究における仙覚の功績ははなはだ大きく、彼が生涯をかけて完成させた万葉集校本とそれを元に注釈を加えた『萬葉集註釈』は、明治期に至るまで『万葉集』の定本として多くの研究者に利用されている。注釈・加点自体は現在の観点からすれば物足りない部分もあるが、中世歌学を考えるうえでの重要な資料の一つであり、その価値はやはり高い。仙覚が加えた点を特に新点と称する所以である。 歌人として遇されることは少なかったが、勅撰和歌集では『続古今和歌集』以下に「権律師仙覚」として4首の入集がある。 面影のうつらぬときもなかりけり心や花の鏡なるらん(『続古今和歌集』巻第十七雑歌上/花の歌とてよめる) こやの池のあしまの水に影さえて氷をそふる冬の夜の月(『続拾遺和歌集』巻第八雑秋歌/冬の歌の中に) 秋風は涼しく吹きぬ彦星のむすびし紐は今やとくらん(『新拾遺和歌集』巻第十八雑歌上/秋の歌とて) 花ならば咲かぬ木ずゑもまじらましなべて雪降るみ吉野の山(『新続古今和歌集』巻第十七雑歌上/題しらず)
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