ロストル式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:42 UTC 版)
炉内にかけ渡した数本の金属棒で作られた格子の上に棺を直接載せて焼くという方式である。「ロストル」とは、食品を焼く網やストーブ等の火床格子を指すオランダ語の「rooster」が語源である。 人体のうち腹部の大腸、小腸などの内臓部分は水分が多くここだけは焼けにくい。しかし、ロストルと炉底部の骨受皿の間は数十センチの空間があるため、棺が燃え尽きた後も炎は遺体の下にも回り、台車式より短時間で骨化することができる。しかしながら、骨は格子から落差がある骨受皿に落ちるため、多くの場合位置関係はばらばらになる。ロストルは間隔の広い格子状なので、遺体下面の燃焼が促進されるが汚汁や難燃部位が骨受皿へ落下しやすい。骨受皿は構造上バーナー炎をあまり当てられないのでロストル位置より温度が低く、落下した汚汁や難燃部位が残りやすいので悪臭を生じやすい。 前室を設けるのは骨受皿を炉前ホール側へ引き出すタイプでは技術的に困難であり、炉前ホールに漏れる燃焼音、熱気、臭気が大きい。建設費は台車式と比して低廉である。また、骨受皿を入れ替えれば炉内を冷却する事なく次の火葬を開始可能なので熱効率が高い上に1炉/1日当たりの火葬回数を多く出来る。東京や京都の大規模火葬場ではロストル式を採用している施設が多い。ホールで他家の参会者同士が輻輳することが避けられないが、京都市中央斎場の様に1炉/1日あたり最大5体の火葬を実施している施設がある。
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