火葬炉の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:42 UTC 版)
現在の火葬炉は、大きく「台車式」と「ロストル式」の2種類に分けることができる。いずれも異なる長所と短所を有しており、火葬場設置者の判断によって選択される。平成に入ってから建設された火葬場では、97%以上の施設で台車式が採用されており、ロストル式を採用した施設は3%未満である。また、これまでロストル式を使用してきた施設でも、老朽化で改築した際に台車式に変更した例もある。 点火に先立ち火葬場職員が押すボタンは(施設によっては遺族が押す場合もある)直接の点火ボタンではなく、作業員に合図を送るためのボタンである。この合図を受けた作業員は安全確認後、点火する。台車式が60分を要するのに対し、ロストル式は40分で焼ける。火葬終了後、30分程度の冷却を経て遺族に遺骨を引き渡す。火葬時間を短縮するだけであれば、火力の設定を高くすればよいのだが(現在の火葬炉は1500℃まで設定可能)、温度が高すぎると骨まで焼けて遺骨がきれいに残らない。遺骨をきれいに残すには設定温度を低めに設定し時間をかけて火葬すればいいのだが、仮に頭蓋骨や骨盤はきれいに残っても、骨壺には入りきらない。かつ、800℃以下の場合はダイオキシン、1000℃以上の場合は窒素酸化物の発生が懸念される。火葬炉も大気汚染防止法やゴミ焼却炉などの規制による数値をもとにした地方自治体独自の規制に則している。また、ダイオキシンに関しては国のガイドラインも遵守しなければならない。
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