レーザーとレーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/30 05:02 UTC 版)
「ビームライディング」の記事における「レーザーとレーダー」の解説
一般的に、指令誘導ではミサイル側に搭載する誘導機器は受信機を主とする比較的簡単なものでよいかわりに、地上誘導装置には追尾レーダーやレーザー目標指示装置、計算機などの大型の機材と複雑な演算処理を必要とするが、レーダーを使用するビームライディング誘導であれば、指令と目標追尾を1つのレーダーで兼用できるというメリットがあった。また1つのビームで複数のミサイルを誘導することもできた。 使用するレーダーがコニカル走査の場合、ミサイルの受信信号の振幅が、1走査のあいだ一定であれば、ミサイルはビームの中心にいることになる。もし振幅が一定でなければ、ミサイルは信号の振幅の少ない方向に機体を動かす。制御は角度のずれではなく、位置のずれに比例する。また使用するレーダーがモノパルスレーダーの場合には、上下左右のビームの振幅差で中心からのずれが分かり、機体を制御できる。 ただし、いずれの形式にしても、レーダーは基本的にビーム幅が広いため、ミサイルが発射点から離れていくのに従ってビーム中心の検出が難しくなり、命中精度が低下する。これに対し、レーザーであればビーム幅が狭いために精度が高くなり、例えば2キロ先でも10センチのオーダーで誘導できる。また、このときに使用するレーザーはミサイルに信号を与えるだけなので、出力が小さくてよく、従って、照射していることを相手に悟られずに誘導できる場合がある。これに対し、同じようにレーザービームを使用するセミアクティブ・レーザー・ホーミング(SALH)誘導では、反射波を得る必要があるために大出力レーザーを使う必要があり、相手は、照射されていることを容易に知ることができる。更にビームを絞り込む設計にすることで、超低出力信号の使用が可能である。
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