ラストベルト改革
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 05:43 UTC 版)
財閥の支配するペンシルベニア州はラストベルトに収まっている。レーガノミクスのドル高は、オイルショックに由来するドル建てユーロ債が途上国を機関化することを容易にする一方で、ラストベルトの鉄鋼産業から国際競争力を奪った。地元企業年金や地元自治体の財政は苦しくなり、財政難自治体法の成立後、1990年にメロン・フィナンシャルがPSFSを買収する形で資金を注入した。3年後にボストン・カンパニーをサンフォード・ワイルから買収して、グラス・スティーガル法の銀証分離を事実上破綻させながら、企業年金の受託者として這い上がった。そしてアメリカ合衆国のサービス産業に国際競争力を与えた。 先端技術を駆使する企業群と、それらに対して財閥のサービスを受けながら合理化圧力をかける機関投資家。地元では未熟練労働者をレイオフしたり、あるいは彼らの年金を整理した。1986年2月、メロン・フィナンシャルはナショナル・クリーニング・コントラクターズ社にビル管理をさせる契約を打ち切り、同時に同社が国際労組(SEIU)と結んでいた協定を破棄させて、アーケード・メンテナンス社に管理を任せた。そして労組に複数の訴訟を提起された。この紛争はカーネギーメロン大学を巻き込んでゆくが、1990年のPSFS買収によって収束に向かった。このような合理化はサンベルトのロサンゼルスでも並行し、ハイテク産業と第三世界型のアパレル産業という格差社会をもたらした。機関化とそれによる合理化は州際問題から国際問題に発展した。ラストベルト資本は、日本や中国、そして欧州との貿易摩擦で様々に圧力をかけたり、あるいは通貨を囲い込んだりして、機関化の糸口をつくっていったのである。そして機関化されたシャドー・バンキング・システムが世界経済を席巻していった。
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