モリブデン合金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 02:17 UTC 版)
詳細は「モリブデン」を参照 モリブデンをベースとした合金は、性質的にはより優れているタングステン合金に比べて安価であることから、広く用いられている。もっとも広く用いられているモリブデンの合金は、チタン-ジルコニウム-モリブデン合金を略してTZMと呼ばれるもので、チタン0.5パーセント、ジルコニウム0.08パーセント、残りをモリブデンで構成したものである。この合金は高温においてより高いクリープ耐性と強度を持ち、摂氏1,060度より高い温度でも用いることができる。また、モリブデン70パーセントとタングステン30パーセントの合金であるMo-30Wは、溶融した亜鉛による攻撃に対する強い抵抗性から、亜鉛の鋳造作業に理想的な材料となっている。溶融亜鉛用のバルブの製作にも用いられる。 モリブデンは、水銀と合金(アマルガム)を形成せず、水銀による腐食に強いことから、水銀接点継電器に用いられる。 モリブデンは耐火金属の中ではもっとも広く用いられる。もっとも重要な用途は、鋼鉄の合金の強化である。鋼管を用いた配管や構造体にはよくモリブデンが添加されており、ステンレス鋼の多くにも使用される。高温での強度、摩耗耐性、摩擦係数の低さといった特性はいずれも、合金に配合する材料として非常に有用なものである。摩擦を減らす優れた特性から、特に信頼性や性能が重要な場所で、潤滑油やグリースに配合される。自動車用の等速ジョイントではモリブデンを含有するグリースが用いられる。化合物は非常に容易に金属に貼りつき、非常に硬く摩擦に耐えるコーティングを形成する。世界中のモリブデン鉱石の多くは中華人民共和国、アメリカ合衆国、チリ、カナダで採掘される。
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