モノレール建設計画
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2013年10月、奈良県が議会予算委員会に提出した計画にモノレール建設の具体案が含まれていたことが報道された。その背景には観光客の減少があり、2014年には入山者が30年前のピーク時から約4分の1に減ったといわれる。計画は一重目に上がる二つの登山道のうちほとんどが階段となる南登山道に沿って農林用モノレールを改良したものを敷設、6人乗りの車両を2両連結して無料で運行するものであったが、報道が波紋を呼び、市民団体などによる反対運動が起こった。計画地が世界文化遺産(『古都奈良の文化財』)登録の際に設定されたバッファゾーンであり、登山道がコアゾーンである春日山原始林に接することから、日本イコモス国内委員会が、建設計画への寺社と一体となって文化的な価値を形成してきた自然環境を改変することへの強い懸念を示した文書を送付した。そして、ユネスコの世界遺産委員会への通知は不要との2013年9月定例県議会での荒井知事発言に対し、保護を軽視していると、世界遺産委員会が、危機遺産に認定する可能性も指摘した。 2014年7月、奈良公園地区整備検討委員会はモノレール構想を否決、荒井正吾奈良県知事は検討委員会の意見を尊重すると述べて、計画は凍結された。代替案として県はバス運行案を検討したが、これも2015年の検討委員会で否定され、以降は奈良交通が運営する『ぐるっとバス』の延伸を検討するとした。
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