メッシーナ提案
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1966年4月にイタリアのメッシーナ大学でグノーシス主義研究者たちの「国際コロキウム(シンポジウム)」が開催され、そこでグノーシス主義とは何であるかという学術的な定義について一つの提案が行われた。これを「メッシーナ提案」と通称する。半世紀近くの時を経てグノーシス主義に関する研究も進展したが、グノーシス主義を語る上でメッシーナ提案は研究者たちの共通基本認識として前提となる。 この提案では、紀元2世紀から3世紀頃のキリスト教グノーシス体系を「グノーシス主義」と定義し、より広い意味での「秘教的知識」の歴史的カテゴリーを「グノーシス」と定義した。この提案によれば、「グノーシス」とは「グノーシス主義」を「典型」とする非常に範囲の広い意味を持つことになり、これはハンス・ヨナスが提唱したように、「精神の姿勢・現存在の姿勢」であるという解釈が概ねにおいて承認されたものである。マニ教や、カタリ派、ボゴミール派などは当然として、それ以外にも、時代や地域を越えて、「グノーシス」は人間の世界把握の様式から来る宗教または哲学的思想として普遍的に存在するものとの考えが示された。 しかし、必ずしもこの定義が定着したわけではなく、一般に「グノーシス」ならびに「グノーシス主義」という言葉は同義語として用いられており、キリスト教「異端思想」としてのグノーシス主義を「キリスト教グノーシス派」と呼ぶことが多い。 したがって、この記事では広義の「グノーシス」について、「グノーシス主義」という用語で説明する。
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