メキシコオパール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 15:58 UTC 版)
メキシコでは1200年ごろアステカ族により宗教儀式における装飾に使用されて ハミングバードの宝石 と呼ばれていた。この小鳥の羽毛がオパールの虹色の遊色を連想させるからである。メキシコオパールの鉱山の周辺ではハミングバードの飛翔がよく観察される。特に地色が赤、橙またはオレンジ色のメキシコオパールで遊色効果の優れたものをファイアーオパールと呼んでいる。16世紀にアステカ族の神殿で発見されたオパールのひとつはアステカ太陽神の名で世界的にも知られるところとなり1881年にシカゴの自然博物館に売却され保存されている。メキシコのハリスコ州は主要なオパールの産出地のひとつである。鉱脈はケレタロ州の Tequisquiapan, Colon, ハリスコ州の Magdalena、El Cobano, Hostotipaquillo, Tequila, Antonio escobedo, San Cristobal de la Barranca にあり60年代の初期にオパールの採掘がはじめられた。ハリスコ州で行われた調査によると La Quemada, San Andres, San Simon, El Cobano,Magdalena の5地区が形成する3000km2の長方形の地域にオパールの鉱脈がある。マグダレナ地区が他の地域に比較して著名なのは産出されるオパールの色の階調が変化に富んでいるということである。赤、青、オレンジ、緑の色調がすべてそろっているのである。ここで最も希少な石は opalo negro (black) であるが,オーストラリアのブラックオパールと決定的に違うのは opalo negro(現地で azabache と呼称)はまったく透明であるということである。オパールは純粋性、透明性、色調、遊色、形状という多様な品質に分けられる。より優れた遊色と透明性と色調をもつオパールが高品質であることは言うを待たない。98種にランクづけられるとまで言われているほど多様である。オパールは光の入射角により色調と色の階調の幅が大きく変わる宝石のひとつである。オパールの重要な性質のひとつは熱による乾燥またはカットをされるときの激しい振動によりひきおこされる内部のミクロな断層または craquelacion である。水分をあたえるともとにもどるが1日から8日の間に再び同じ変質をこうむるのである。オパールはあたかも指紋のような石である;世界に同じ石は存在しないからである。
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