ムト神域の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:05 UTC 版)
神域にはムトに関係するいくつかの小神殿があり、またそこには三日月形に造成された独特な聖池を持つ。この神域のハトシェプストやトトメス3世による当初の大部分は解体され、アメンホテプ3世による他の構造物に使用された。主な構造物には、ムト神殿、コンス・パ=ケレド神殿、三日月形の聖池、およびラムセス3世の後の神殿がある。 ムト神殿 アメンホテプ3世が奉献した700体もの黒色花崗岩でできた女神セクメトの彫像が、ムト神殿の中庭で発見された。セクメトはムトと同一視されていた。その場所は最も古い部分であろうと考えられる。 コンス・パ=ケレド神殿 コンス・パ=ケレド(「子供のコンス」)の神殿は、主に新王国時代の建造物のブロックを再使用して構築され、残存する装飾には誕生や割礼の場面などが認められる。 ラムセス3世神殿 ラムセス3世が聖池の西側の端に構築した小神殿には、外壁の一部のほか、頭部が欠損したラムセス3世の2体の像が入口に残っている。 さらに、そこには多くのより小さな構造物や祠堂だけでなく、ネクタネボ2世(紀元前360-343年)の神殿、ハトシェプストとトトメス3世の聖舟祠堂、アメン=カムテフ神殿の聖所が周壁のすぐ外側に位置し、それらの基部が残存する。 アメン=カムテフ神殿 神域の周壁北面のプトレマイオス2世とプトレマイオス3世による記念門の東側の外部に、アメン=カムテフ(「自らの母親の雄牛のアメン」)神殿が認められる。カムテフ(「自らの母親の雄牛」)は、ムトのもう1つの姿とされるハトホルの子となる太陽神である。後の神話において、カムテフはムトの相手役となり、夫ともされている。 聖舟祠堂 神域の北面入口の西側の外部にその基部のみが残存するこの聖舟祠堂は、ハトシェプストとトトメス3世の時代に構築されたものであった。
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