マイクロコントローラとしての機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 12:07 UTC 版)
「Blackfin」の記事における「マイクロコントローラとしての機能」の解説
Blackfinアーキテクチャは、マイクロプロセッサやマイクロコントローラに共通して見られる特徴を備えている。これによってBlackfinは商用またはオープンソースの各種オペレーティングシステムを効率的に実行できるようになっている。 メモリ保護ユニット(Memory Protection Unit、MPU) 全てのBlackfinプロセッサに内蔵されている。MPUは、メモリ空間全体について保護とキャッシュ戦略を提供する。これによって、ThreadX、µC/OS-II、Linux といったRTOSやカーネルが動作可能となっている。MPU はいわゆるメモリ管理ユニット(MMU)にあるようなアドレス変換機構は持たないため、仮想記憶やプロセス毎のアドレス空間はサポートしていない。このため、Blackfinでは仮想記憶を前提とした WinCE や QNX のようなOSはサポートできない。なお、Blackfin の文書には MPU を MMU と呼んでいるものが多いので注意が必要である。 ユーザー/スーパーバイザーモード Blackfinには、スーパーバイザー、ユーザー、エミュレーションの3つのCPUモードがある。スーパーバイザーモードでは、全プロセッサリソースにアクセス可能である。しかし、ユーザーモードでは、システムリソースやメモリ領域を保護できる(MPUの機能を利用)。最近のOSでは、カーネルがスーパーバイザーモードで動作し、通常のスレッド/プロセスはユーザーモードで動作する。スレッドはクラッシュしたり、保護されたリソース(メモリ、周辺機器、その他)にアクセスしようとしたとき、例外が発生し、カーネルが問題のスレッド/プロセスを停止させる。 可変長RISC風命令セット Blackfinの命令は、16ビット、32ビット、64ビットのものがある。よく使われる制御命令は16ビットで、DSPなどの命令は32ビットや64ビットになっている。これによって、コード密度を高めている。Blackfinの命令セットには、動画や画像の圧縮・伸張アルゴリズムに使われるピクセル処理の補助となる media processing extensions が含まれている。
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