ペッツヴァールレンズとは? わかりやすく解説

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ペッツヴァールレンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 09:33 UTC 版)

ジョセフ・マキシミリアン・ペッツヴァール」の記事における「ペッツヴァールレンズ」の解説

1839年ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールダゲレオタイプ発明しフランス政府により8月19日学士院において公開された。これにウィーン工学研究所のアンドレアス・フォン・エッティングハウゼン(Andreas von Ettingshausen )教授は強い興味持ったが、この技術弱点撮影レンズが約F17と暗く屋外晴天でも約20分と非常に長い露光時間が必要であることだと考えペッツヴァール相談したペッツヴァールはフォン・エッティングハウゼンの紹介でペーター・ウィルヘルム・フリードリッヒ・フォクトレンダーと会い写真術実用性高めるため明るレンズ開発することにした。これに対してオーストリア政府全国砲兵隊から優秀な計算手選抜し計算中隊結成してペッツヴァール手伝わせ、この結果1840年当時としては驚異的なF3.7の高速レンズ完成し、これにより屋外晴天での露光時間1-2分へと短縮され、またピント合わせ容易になった。 収差としては、像面湾曲欠点とも言える逆に肖像立体感が出るためもあって、その後イギリスフランスドイツなど各メーカーからも類似品製造発売され長くポートレート用として使用された。日本ではフォクトレンダー製よりもダルメイヤー製が多用され遅くまでこのタイプのポートレートレンズを使用していた。非点収差大きく周辺部点光源アウトフォーカス像は楕円となる。 中心部に限れば球面収差少なく非常にシャープであるため、使用画角が狭い投影用、天文用としても多用された。 投影用としては、フォクトレンダー1930年代にプロジェクトス(Projectos )という商品名71種類生産していた。 天文用としてはF線とh線色収差消しg線球面収差最小にする設計のアストロ・ペッツヴァール2000mmF5で300mm×300mm写真乾板撮影する天文カメラ多数製造され世界中天文台使用された。 世界最大のペッツヴァールレンズは1893年アルヴァン・クラーク研磨した34400mmF5.7であり、ハーバード大学ブルームフォンテーン天文台設置された。このレンズ焦点面上の1mmが1'になるよう設計されており、356mm×432mm判写真乾板使用するヘンリエッタ・スワン・リービットによる撮影使用された。この結果ケフェイド変光星観測により銀河の距離を精密に測定できるようになった

※この「ペッツヴァールレンズ」の解説は、「ジョセフ・マキシミリアン・ペッツヴァール」の解説の一部です。
「ペッツヴァールレンズ」を含む「ジョセフ・マキシミリアン・ペッツヴァール」の記事については、「ジョセフ・マキシミリアン・ペッツヴァール」の概要を参照ください。

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