ベンゾチアゼピン系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 01:37 UTC 版)
「カルシウム拮抗剤」の記事における「ベンゾチアゼピン系」の解説
ジルチアゼム(ヘルベッサーなど)が含まれる。ジルチアゼムはL型カルシウムチャネルのD部位(diltiazemのD)に結合する。ジヒドロピリジン系の結合するN部位やベラパミルが結合するV(verapamilのV)部位とは異なっており、このことが作用の違いにつながっている。なお、ジヒドロピリジンとはお互いの薬剤の結合を増加するのに対してベラパミルとは結合を阻害する。 心臓の血管(太い冠動脈拡張、抗スパズム)にも抹消の血管(降圧)にも作用する。ただ、降圧作用はマイルドで正常血圧は下げないため、正常血圧の狭心症には第一選択である。冠スパズム性の狭心症で早朝に狭心症発作のある場合は、夕食後もしくは就眠前に100〜200mg経口投与する。高血圧ではマイルドな降圧、徐脈作用を期待する場合や狭心症や心筋虚血が疑われる患者に1日100〜200mgを経口投与する。 ヘルベッサー注射剤には10mg,50mg,250mgの3剤型がある。房室伝道の抑制、徐脈の作用はベラパミル注射の緩徐bolus投与が主に使用されており、ジルチアゼム注射は日本では余り用いられず、高血圧性緊急症と不安定狭心症時における持続点滴静脈内投与での使用が多い。 PSVTなどの頻脈性不整脈には10mg含有製剤を5%ブドウ糖液10mLに溶解し3分間で靜注する。不安定狭心症や高血圧緊急症には持続静脈内投与され、高血圧性緊急症では5〜15γで不安定狭心症では1〜5γで維持される。使用方法は50mg剤型3Aを5%ブドウ糖液100mlで溶解させると1.5 mg/mLとなる。体重が50 kgの場合は1γが3 mg/hrとなるため2 mL/hrで投与すると1γ投与となる。 ベンゾチアゼピン系とマイナートランキライザーのベンゾジアゼピン系は名称が似ているがまったく異なることに注意。
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