ベトナム戦争期の R&R
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/29 02:13 UTC 版)
「R&R (軍事)」の記事における「ベトナム戦争期の R&R」の解説
ベトナム戦争の時期に従軍したアメリカ軍の兵員には、兵役期間(海兵隊員は13か月、兵士、水兵、空軍兵は12か月)の間に一度 R&R の機会が全員に与えられていた。R&R の期間は5日間とされており、出向く先は、バンコク、香港、クアラルンプール、ペナン、マニラ、ソウル、シンガポール、台北、東京や、南ベトナム共和国国内のチャイナ・ビーチ(China Beach)などであった。遠方であるハワイやシドニーに出向く場合は、期間が7日間に延長された。独身のGIたちに最も人気が高かったのはバンコクであったとされており、既婚者のGIの間ではハワイでの配偶者と過ごす休暇が最も人気があった。 アメリカ国防総省の公式の政策は、買春を良しとしていなかった。しかし、米兵たちの多くが直面していた戦場におけるトラウマ(心的外傷)と闘うために、買春は頼みとされた。アジア各地の様々な R&R スポットにあるバー、ナイトクラブ、マッサージパーラー、浴場 (bathhouses) などには、タイ人、フィリピン人、スリランカ人、ベトナム人、日本人、朝鮮人、シンガポール人、マレーシア人の女性たちがいて、米兵たちの慰みものとなっていた。バーの女性たちの人気は高く、「レンタル (rental)」すると、GIたちは、法的な強制力を持つ契約を結ぶことができた。GIが、好みの女性を選ぶと、彼女はコンパニオン兼ガイドとしてGIに奉仕した。 タイ王国のパタヤ・ビーチは、かつては漁村にすぎなかったが、1960年代にベトナムから何千人もの兵員が R&R で訪れるようになり、世界最大級の紅灯街のひとつが形成された。当地の経済活動の核心部分には、今もセックスツーリズムがある。兵士たちは、こうした休暇を、I&I「酩酊と交合 (intoxication and intercourse)」と称した。誰もがこのような休暇の過ごし方をしていたわけではなかったが、こうしたあり方は R&R に対するステレオタイプ的な見方を広めた。
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