ブリーズヒルの防御工作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 15:24 UTC 版)
「バンカーヒルの戦い」の記事における「ブリーズヒルの防御工作」の解説
6月16日夜、大陸軍のウィリアム・プレスコット大佐が1,200名の兵士を率いて半島に上陸し、ボストンに向けて大砲を放てる陣地を構築することを目指した。この部隊はプレスコット、パットナム(指揮はトマス・ノールトン(英語版))、ジェイムズ・フライ(英語版)およびエベネザー・ブリッジ(Ebenezer Bridge)の各連隊からの兵士で構成されていた。初めのうち、パットナムとプレスコットおよび工兵士官のリチャード・グリドリー大尉は、何処を防御地点とするかについて意見が相違した。バンカーヒルで幾らか工事をしたが、ブリーズヒルがボストンに近く、より防御に適しているように見えたので、元々の命令には従わず、最初の堡塁をそこに造ることに決めた。プレスコットの部隊はグリドリーの概要図を使って一辺が130フィートの(40m)の正方形の堡塁を造り、溝と土壁も造った。壁の高さは6フィート(1.8m)あり、その内側に木製の踏み台を置いて壁越しに銃を撃てるようにした。 ブリーズヒルの工事はイギリス軍に気付かれた。同夜、偵察にあたったクリントン将軍がそれを発見したのである。クリントンは夜明けにその陣地を攻撃する準備をする必要があるとして、ゲイジとハウを説得しようとした。イギリス軍哨兵も工事に気付いていたが、警戒すべきだとは思わなかった。夜明け前の4時頃、フリゲート艦リヴリー(英語版)の哨兵が新しい砦を認知し艦長に報せた。リヴリーが砲撃を始め、一時的に大陸軍の工事を止めさせた。イギリス海軍の旗艦サマセット(英語版)に座乗していたサミュエル・グレイブス(英語版)提督は命令した覚えのない砲撃により目を覚まし、彼は砲撃停止命令を出した。だがゲイジ将軍はその朝に状況を理解し、その命令を取り消させた。彼は港内にある全128門の大砲に加え、コップスヒル砲台の大砲で大陸軍の陣地を砲撃するよう命じた。しかし、艦砲は砲弾を大陸軍陣地に届かせられるくらい上を向くことができなかったので、ほとんど効果を得られなかった。大陸軍のプレスコットは日の出と共に、堡塁が容易に両側面を衝かれるという重大な弱点に気付いた。彼は堡塁の西側まで追加工事を行うには人手が足りないと判断、即座に兵士達に丘から東に走る胸壁を造り始めるよう命令した。
※この「ブリーズヒルの防御工作」の解説は、「バンカーヒルの戦い」の解説の一部です。
「ブリーズヒルの防御工作」を含む「バンカーヒルの戦い」の記事については、「バンカーヒルの戦い」の概要を参照ください。
- ブリーズヒルの防御工作のページへのリンク