フローンによる区分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:26 UTC 版)
「フローンの気候区分」の記事における「フローンによる区分」の解説
世界の気候に影響を与える4つの恒常風である赤道西風(T)・貿易風(P)・偏西風(W)・極東風(E)がある地域においてどの時期に影響をもたらすかということにフローンは注目し、以下の7つに区分した。 一年を通して赤道西風に支配される地域(TT) 高日季(夏)は赤道西風、低日季(冬)は貿易風に支配される地域(TP) 一年を通して貿易風に支配される地域(PP) 高日季(夏)は貿易風、低日季(冬)は偏西風に支配される地域(PW) 一年を通して偏西風に支配される地域(WW) 高日季(夏)は偏西風、低日季(冬)は極東風に支配される地域(WE) 一年を通して極東風に支配される地域(EE) フローンは以上の気候帯にそれぞれ名前を付け、ケッペンの気候区分とアルブレヒト・ペンクによる気候帯との対照、各気候帯の典型的な植生、降水特性をも示した。 気候帯番号気候帯記号気候帯名ケッペン気候帯ペンク気候帯降水特性1 TT 熱帯内帯 Af・Aw 完湿潤 常に湿潤、強い雨 2 TP 熱帯外帯 Am、一部Cw 半湿潤 夏に雨 3 PP 亜熱帯乾燥帯 BW・BS 乾燥 乾燥、まれに大雨 4 PW 亜熱帯冬雨帯 Cs 半湿潤 冬に雨、一部に春雨・秋雨 5 WW 湿潤温帯 Cfa・Cfb、一部Cw 湿潤 各季節に降水 6a WE(EW) 冷帯 Df・Dw 亜氷雪 夏に雨、冬に雪 6 亜寒帯 ET - 通年で降水量は少ない 7 EE 高極帯 EF 通年で少量の降雪 上記以外にもいくつかの特徴がある。3(PP)と4(PW)は大陸の東岸には発達しない(存在しない)気候帯である。その理由をフローンは「亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)が高層においてモンスーントラフが侵入するため」としている。5(WW)と6a(WE/EW)の違いは、冬に積雪があるか否か(あれば6a)である。さらに、6a(WE/EW)は北半球の大陸上にのみ発達する。 フローンは以上のように気候区分を設定したが、フローン自身は気候帯の分布を図1のような仮想大陸上に模式的に示したにとどまり、現実の世界地図上で表現することはなかった。
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