フラ・アンジェリコが聖人たちを描いた絵画
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「フラ・アンジェリコ」の記事における「フラ・アンジェリコが聖人たちを描いた絵画」の解説
フラ・アンジェリコと弟子がローマ教皇ニコラウス5世からの召致で礼拝堂装飾絵画制作のためにバチカンを訪れたのは、フラ・アンジェリコが再び教皇の機嫌をとる必要があったことが理由だった。この小さな礼拝堂に足を踏み入れると、まるで宝石箱の中に迷い込んだような感覚すら覚える。壁面は色鮮やかな彩色と金箔で飾り立てられ、この豪華な装飾に比肩するのはこれより100年ほど前にゴシック期のイタリア人画家シモーネ・マルティーニが装飾を担当したサン・フランチェスコ大聖堂下堂くらいである。しかしながらその作風にはそれまでの絵画と同様にフラ・アンジェリコが終生追い求めていた慈悲心と信仰とが如実に現れており、人物像が身にまとう金箔が使用された豪華な衣装は優しく穏やかに表現されている。 描かれている人物の様子や彼らから受ける印象からも、フラ・アンジェリコほど聖人たちを本物の聖人らしく描ける画家は存在しない。 — ジョルジョ・ヴァザーリ 現存しているフラ・アンジェリコの絵画の中には、フラ・アンジェリコの下絵を弟子たちが完成させた作品が存在している可能性はある。ベノッツォ・ゴッツォリやジェンティーレ・ダ・ファブリアーノは当時高く評価されていた画家だった。ゴッツォリは表現豊かで現実的な人物像を描き、自身の作風をよりルネサンス風に昇華していった。メディチ家からの依頼でフィレンツェのメディチ・リカルディ宮マギ礼拝堂に描いた代表作『東方三博士の行列』が好例である。
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