フラ・アンジェリコの祭壇画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 10:04 UTC 版)
「フラ・アンジェリコ」の記事における「フラ・アンジェリコの祭壇画」の解説
フラ・アンジェリコの作品には、それまでの保守的なゴシック様式と先進的なルネサンス様式とが混在している。フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会からの依頼で描き、現在フィレンツェのウフィツィ美術館が所蔵する『聖母戴冠』は、金箔、ラピスラズリ、バーミリオンなど、14世紀で望みうる最高の素材が大量に使用された非常に贅沢な祭壇画である。金箔が使用されている背景や聖人たちの頭上の後光、衣服の縁飾りは非常に精緻に細工されており、これらはすべてゴシック様式の手法である。ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの祭壇画と違ってルネサンス様式を感じさせるのは、現実的な立体感をもって三次元的に描かれた人物像と、それらの人物が身にまとっている衣装が垂れ下がる表現やゆったりとしたひだの描写である。描かれている人物は大地ではなく雲の上に立っているが、重量感のある表現で描かれている。
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