フランス艦隊の出撃とアメリカ艦隊との戦闘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 03:26 UTC 版)
「カサブランカ沖海戦」の記事における「フランス艦隊の出撃とアメリカ艦隊との戦闘」の解説
アメリカ軍による攻撃が続く中、8時15分にフランスの大型駆逐艦ミラン、アルバトロス、駆逐艦ブレストア、ブーロネー、フグー、フロンデュール、ラルションがゲルベ・ド・ラフォンド (Gervais de Lafond) 少将に率いられてカサブランカから出撃を開始した。フランス艦隊はレンジャー搭載機から機銃掃射を受けてラフォンド少将が負傷するなど損害を出すも、北東のフェドハラへ向かい上陸中のアメリカ軍を攻撃して若干の戦果をあげた。また、8時34分にアメリカ駆逐艦ラドローに命中弾を与えた。 フランス艦隊の接近に対し、ヒューイット少将は重巡洋艦オーガスタ、軽巡洋艦ブルックリン、駆逐艦ウィルクス、スワンソンに迎撃を命じた。また、ヒューイット少将は第34.1任務群のギッフェン少将にもフランス艦隊攻撃を命じた。オーガスタとブルックリンが現れると、ラフォンド少将は艦隊を反転させた。フランス艦隊とアメリカの巡洋艦2隻は砲撃戦を行ったが、この時点では両方とも命中弾はなかった。9時15分にラフォンド少将は再度針路を東に変更したが、9時18分に第34.1任務群が戦闘に加わった。また、この頃カサブランカからフランス軽巡洋艦プリモゲも出撃した。 オーガスタとブルックリンは、第34.1任務群が到着すると上陸支援に戻った。フランス艦隊はマサチューセッツ、タスカルーサ、ウィチタからの攻撃を受け、フグーがマサチューセッツおよびタスカルーサの砲撃が命中して沈んだ。一方、マサチューセッツにもエル・ハンク砲台からの砲撃が命中した。東のほうでは、第34.1任務群が魚雷を避けるためなどで西に離れたためフランスの駆逐艦が再びに上陸船団に接近した。このため、ヒューイット少将は9時51分にオーガスタ、ブルックリン、駆逐艦スワンソン、ウィルクス、ブリストルに迎撃を命じた。10時12分、ブルックリンの砲撃がブーロネーに命中。ブーロネーは11時12分に沈んだ。10時46分、ブルックリンが被弾したが、不発であった。11頃、弾薬節約のためマサチューセッツは砲撃をやめた。 11時台にプリモゲ、ミラン、ブレストア、フロンデュール、アルバトロスが被弾した。アメリカ側では11時28分にエル・ハンク砲台の砲撃がウィチタに命中した。南西から敵巡洋艦が接近中であるというものと、フェドハラでフランス軍の士官との会談があるとの情報により、11時45分から50分ごろアメリカ軍は戦闘を停止した。しかし、前者は誤情報であり、後者も海上戦に影響を与えるものではなかった。 出撃したフランス海軍艦艇の内、戦闘後も無傷なのはラルションのみであった。プリモゲとミランは擱座し、フロンデュールとブレストアは港に戻ったものの翌日転覆した。
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