フォーミュラ・カーの設計
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「ローラ・T95/30」の記事における「フォーミュラ・カーの設計」の解説
チーム強化のために、ローラ・カーズはイギリス事業所のマーケッティング・ディレクターとしてブレット・トラフォードを雇った。ジョーダン・グランプリ・チームからの移籍者であり、1989年から1991年までベネトン・フォーミュラでも同じ地位についていた。ローラ・T95/30は元ベネトン・フォーミュラのエンジニアであるジュリアン・クーパーと、ウィリアムズF1チームの空力専門家のクリス・サンダースによって設計された。クランフィールド研究所で40%スケールモデルを使った風洞テストが実施され、3.0リッターのフォード・コスワースED型V8で駆動された。 ローラ・T95/30は重量35㎏、暑さ20mmのカーボン・ファイバーとアルミニウム・ハニカムからなる成形された古典的なモノコックシャシーを備えている。1995年度のフォーミュラ1レギュレーションに最初に適合したフォーミュラ・カーとなった。この車はドライバーを含んで595kgに仕上がった。ドライバー抜きでは車重は510kgであり、重量配分は前輪42%、後輪58%となっている。10kgのバラストも搭載している。T95/30はフラットボトムの車体底面よりも10mm下にセットされたフロント・スポイラー、車体から高さが25cmを超えない低いリア・スポイラー、車体底面から95㎝に制限されたエンジンカバー、空き容量のあるタンクと、広げられたコクピットも特徴的である 。その他の特徴としては30㎝幅広になり、リア・アクスルまで延長されたフラットボトムも目新しいが、これはフォード・コスワースV10エンジンの移植に際して問題を生じた。この車の後部は、同世代の他のフォーミュラ1カーと比べてシンプルであり、主な違いはT95/30にはディフューザーが備えられていないことである。施行された新しい規制に従って、この車にはエンジン・レベルのエアボックス(エンジンの吸気圧を制御し、インテーク・マニホールドに送り込む装置)を備えていなが、追加の35馬力を得ている。しかしながら、この最後の規制は1994年の終わりに廃止され、T95/30は公開後にエアボックスとリアディフューザーを装備したように見られている。 しかしながら、T95/30は主としてローラがFIAにF1参戦のための50万ドルを支払わなかったために1995年のフォーミュラ1に参戦することはなかった。エリック・ブロードレイは会社が「高レベルの競争」ができる場合にのみレースに参加することを望んでおり、それまでに集められた予算がこの目的を達成するには不十分であることから、1996年への延期を申し開きした。T95/30は1994年12月8日に報道陣に公開された。
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