フィルムの現存状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 01:05 UTC 版)
山中が5年間の監督生活で発表した作品は26本(うち2本は応援監督作品)あるが、その多くは消失または焼失しており、今日までフィルムがまとまった形で現存するのは『丹下左膳余話 百萬両の壺』『河内山宗俊』『人情紙風船』のわずか3本しかない。そのうえ『丹下左膳余話 百万両の壺』の現存フィルムは、戦後再公開時にGHQの検閲でクライマックスのチャンバラシーンがカットされた不完全版であり、後にそのカット部分はわずか約20秒の玩具フィルム(ただし音声は欠落している)で発見された。2020年、国際交流基金と各映画会社の共同事業として、現存する3本の4Kデジタル修復版が作られ(『丹下左膳余話 百万両の壺』は玩具フィルムで欠落部分を補った最長版として作られた)、同年の第33回東京国際映画祭の日本映画クラシックス部門で上映された。 数秒から数分程度の断片フィルムだけが現存する作品は複数本存在する。京都のおもちゃ映画ミュージアムには、『鼠小僧次郎吉 中篇 道中の巻』(50秒)、『国定忠次』(不明)、『関の弥太ッペ』(40秒)の玩具フィルムが所蔵されている。国立映画アーカイブは『小笠原壱岐守』(52秒)と『風流活人剣』(104秒)の玩具フィルムと、応援監督作品『大菩薩峠 第一篇 甲源一刀流の巻』(77分)の不完全版フィルムを所蔵しており、プラネット映画資料図書館は『海鳴り街道』(68秒)の玩具フィルムを所蔵している。『磯の源太 抱寝の長脇差』(1分)と『怪盗白頭巾』(30秒)の断片フィルムも残されており、2004年発売の『山中貞雄 日活作品集DVD-BOX』の映像特典として収録されている。また、マツダ映画社が所蔵し、山中の現存フィルムやスチル写真を集めた『嗚呼 山中貞雄~山中貞雄作品集~』(1985年編集)には、『磯の源太 抱寝の長脇差』『関の弥太ッペ』に加えて『薩摩飛脚 剣光愛欲篇』の断片映像が含まれている
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