フィルムの散逸と復元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 18:58 UTC 版)
「戦艦ポチョムキン」の記事における「フィルムの散逸と復元」の解説
本作のオリジナル・ネガは、スターリン時代に政治的理由でカットされており、海外で公開された版も多くのシーンがカットされたため、完全なオリジナルは散逸してしまった。 1976年、ソ連映画関係者の努力により世界中に散らばったポジ・プリントから復元版が再構成された。この版はショスタコーヴィチの交響曲からとった音楽がつけられたため、通称「ショスタコーヴィチ版」と呼ばれる。しかし、その後ドイツの作曲家エドムント・マイゼルがドイツ公開(1926年)の際に作曲したスコアが発見され、もともとマイゼルへの作曲依頼者がソビエト側であることや、エイゼンシュテイン本人も伴奏音楽として優れていると認めていたことから、こちらの版の復元が進み、2005年には元ミュンヘン映画博物館館長エンノ・パタラスの指揮によりこの「マイゼル版」の復元版が完成した。復元マイゼル版では、当時のドイツ公開版にならい、戦艦のマストに掲げられた旗が手彩色作業により赤旗になっている。
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