ピエゾ方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 21:13 UTC 版)
「インクジェットプリンター」の記事における「ピエゾ方式」の解説
ピエゾ方式とは、電圧を加えると変形するピエゾ素子(圧電素子)を用いた方式である。 ピエゾ素子をインクの詰まった微細管に取り付け、このピエゾ素子に電圧を加えて変形させることでインクを管外へと吐出させる。前述のように1960年代から研究がなされていたが以下に示した短所の克服に時間がかかったため、本格的な商品化は1980年代になってからであった。 1990年代にエプソンがピエゾ素子を複数に重ねて使用した「マッハジェット」を開発。カラー高画質化にいち早く成功し、マーケットでの地位も確保した。ブラザー工業もピエゾ方式でインクジェットプリンターを製品化しているほか、CADや大判用プリンターとしてはローランドなどでも採用されている。また、サーマル方式では難しい高粘度・速乾燥性のインクを使用できるメリットを生かしてリコー(GELJET)でも採用されている。 ピエゾ方式の長所は以下の通りである。 ピエゾの変形量そのものを電圧制御するため、インク噴出量や液滴サイズを精密に制御できる。 インク吐出制御に熱を使用しないため、使用環境の気圧や気温に左右されずヘッドの耐久性も高い。 インクを加熱しないため、サーマルジェットに比べて幅広いインクに対応可能である。 短所は以下の通りである。 インク内に気泡が混じると目詰まりが生じやすい。 ドット毎にピエゾ素子を用意するためヘッド構造が複雑である。 ピエゾ素子を小型化するとインクを押し出すために必要な体積変化が得られにくい。
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