ビジネス方法特許が無効とされた例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/10 20:15 UTC 版)
「ビジネスモデル特許」の記事における「ビジネス方法特許が無効とされた例」の解説
コンピュータを利用した狭義でのビジネス方法特許についての裁判例は数少ない。日本航空が全日本空輸を訴えたことで話題になった特許第3179409号・特許第3400447号(チケット予約システム)の侵害訴訟は、無効審判により権利範囲が狭まったことが原因で、日本航空が損害賠償請求を放棄するに至った。 このように、ビジネス関連発明において特許が取り消されたり、無効審判の過程で権利が減縮されるのは、従来の技術が特許文献や学術論文といった形で存在しておらず、審査終了後に当事者等によって新たにカタログ等の資料が提出され判断が覆ることが最大の原因である。このため、三極特許庁の共同研究でも指摘されているように、特許庁には審査資料の充実等が求められるとともに、関係企業や一般公衆には、米国において盛んに行われているように、審査資料を提出すること等で、より適切な判断がされるように寄与することが求められている。 なお、一部では特許庁が付与した特許が無効審判において高い確率で無効とされることが問題視されている。しかしながら、年間に約10万件の特許が成立するのに対して、そのうち無効審判が請求されるのはわずかに数百件程度であって(これに対して、拒絶査定に対する不服審判は、年間2万件以上提起されている。)、実際には多くの特許が無効になっているとは言いにくい。 ステートストリートバンク事件で脚光を浴びた「ハブ及びスポーク金融サービス構成のためのデータ処理システム」(通称「ハブ・アンド・スポーク事件」)は、日本にも特願平4-507889号として出願されていた。しかし、平成13年に拒絶査定され、平成16年8月に拒絶査定不服審判事件において特許を受けることが出来ない旨の審決がなされた。これによって、大きな反響を呼んだビジネスモデル特許は、日本においては特許になることはなかった。
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