ヒメヘビイチゴ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2021/02/05 10:16 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動| ヒメヘビイチゴ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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宮城県東部 2017年5月中旬
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| 分類（APG IV） | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Potentilla centigrana Maxim.[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| ヒメヘビイチゴ（姫蛇苺）[5] |
ヒメヘビイチゴ（姫蛇苺、学名：Potentilla centigrana）は、バラ科キジムシロ属の多年草[6][7]。
特徴
茎は細く、分枝し、匍匐性で伸長する。茎には開出する毛があるか、または無毛で、節から根を出す。葉は3出複葉で、長さ0.5-2cmの葉柄があり、全体に青味がかった緑色をしている。小葉は長さ0.5-1.5cm、幅0.4-1.5cmで、倒卵形から楕円形になり、先は鈍頭から円頭、基部は短い小葉柄があるかまたはほぼ無柄。小葉の質は薄く、表面はほぼ毛はなく、裏面は葉脈上に圧着した毛が生えてわずかに粉白色になり、縁には粗い歯牙状の鋸歯がある。葉柄の基部に、薄緑色で披針形から卵形になる托葉があり、先は鋭頭、縁は全縁、長さは約7mmになる[6][7]。
花期は4-8月。花は単生で茎に頂生するが、葉に対生するように見える。これは、直下の葉の腋から次の茎が出ることからこのように見える。花は黄色で径6-8mmになり、花柄は細く長さは1-4cmになる。萼片は5個あり、狭卵形で先は鋭頭になる。副萼片も5個あり、披針形から長楕円形で先は鋭頭から鋭突頭、萼片より狭く、ほぼ同長か短く、外側にまばらに毛が生える。花弁も5個あり、広倒卵形から倒卵形で、先端はわずかにくぼみ、長さ3-4mmになる。雄蕊は15-20個あり、葯は楕円形になる。心皮は多数あり、花柱は糸状になり、長さ約0.7mmでやや頂生する。果実期の花床は半球形となって少しふくらみ、短毛が生える。果実は痩果で多数つき、痩果は長さ約1mmの広卵形で、褐色となり、無毛で表面に不規則な縦筋がある[6][7]。
分布と生育環境
日本では、北海道、本州、四国に分布し、山地や原野の湿地、水田のあぜ、林縁などに生育する[5][6][7]。世界では、朝鮮半島、中国大陸、極東ロシアに分布する[6]。
名前の由来
和名ヒメヘビイチゴは「姫蛇苺」の意[7]。「野草の名前」の著者である高橋は、同属のヘビイチゴ P. hebiichigo やヤブヘビイチゴ P. indicaと比べ、小葉が小型であることだけでなく、似た両種のような「赤いイチゴ」ができないことにも言及している[8]。
種小名（種形容語）centigrana は、「百粒の」の意味[9]。
分類
同属のオヘビイチゴ P. anemonifolia は葉が5出複葉なので、本種とすぐに区別することができる。また、ヘビイチゴ P. hebiichigo は3出複葉であるが、同種は葉の裏面の葉脈に沿って長い毛があること、副萼片の先が3裂することなどで区別することができる[7]。
ギャラリー
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花は黄色で5弁花。花弁は広倒卵形から倒卵形で、先端はくぼむ。
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果時に萼片と副萼片は平開し、果実は少しふくらむが赤くはならない。
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茎は匍匐性で伸長し、開出した毛があり、葉は3出複葉になる。
脚注
- ^ ヒメヘビイチゴ「BG Plants 和名－学名インデックス」（YList）
- ^ synonym of Potentilla centigrana The Plant List
- ^ synonym of Potentilla centigrana The Plant List
- ^ ヒメヘビイチゴ（シノニム）「BG Plants 和名－学名インデックス」（YList）
- ^ a b 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花（増補改訂新版）』p.337
- ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物 3』p.35
- ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.641
- ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』p.274
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1487
参考文献
- ヒメヘビイチゴのページへのリンク
