ヒナカンアオイとは? わかりやすく解説

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ヒナカンアオイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/02 18:21 UTC 版)

ヒナカンアオイ
保全状況評価[1]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : モクレン類 Magnoliids
: コショウ目 Piperales
: ウマノスズクサ科 Aristolochiaceae
: カンアオイ属 Asarum
: ヒナカンアオイ
A. okinawense
学名
Asarum okinawense Hatus.[2]
シノニム
  • Heterotropa okinawensis (Hatus.) F.Maek. ex Y.Maek.[3]
和名
ヒナカンアオイ

ヒナカンアオイ(雛寒葵、学名Asarum okinawenseシノニムHeterotropa okinawensis)とは、ウマノスズクサ科カンアオイ属多年草

概要

日本固有種琉球諸島沖縄島の北部嘉津宇岳周辺に分布する。石灰岩地の林内に生育する。

多年草は対生または束生、卵状心形~広卵状心形で、長さ5~6cm程度、先端は鋭く尖り、表面は深緑色で、雲斑がある。葉柄は緑色で長い。花期は2~4月。のように見えるのは花弁ではなく3枚のがく片である。がく片は卵形で長さ5mm内外になり、縁は反り返らず、色は淡黄白色、基部に小突起がある。がく筒は筒形で長さ7mm程度になり、くびれがなく、暗緑色。雄しべは12個、雌しべは6個。

園芸用の採取で、個体数を減らしている他、生育地周辺で開発が進んでいる。

保護上の位置づけ

絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト

環境省の2007年の調査では発見できず、その後の情報もないため、野生絶滅したおそれがあるが、再発見の可能性を考慮し、IUCNレッドリストの分類[4]と同じく、絶滅危惧IA類(CR)とされている[5]

生育地である下記の地方公共団体が作成したレッドデータブックに掲載されている。

2017年(平成29年)に希少野生動植物種および特定第一種国内希少野生動植物種に指定された[7]

生息地である嘉津宇岳一帯は、嘉津宇岳安和岳八重岳自然保護区として県指定の天然記念物〈天然保護区域〉に指定されている[8]

脚注

  1. ^ Ministry of the Environment, Japan (2016). Asarum okinawense. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T54142204A54142215. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-1.RLTS.T54142204A54142215.en. Downloaded on 01 December 2018.
  2. ^ ヒナカンアオイ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ ヒナカンアオイ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ Hina-Kan-aoi” (英語). IUCN Red List. 2025年4月3日閲覧。
  5. ^ ヒナカンアオイ”. 環境省第5次絶滅危惧種検索. 2025年3月31日閲覧。
  6. ^ 維管束植物”. 沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版-菌類編・植物編-. 2025年3月31日閲覧。
  7. ^ 環境省 国内希少野生動植物種一覧【植物】(2017年8月19日閲覧)
  8. ^ 日本全国文化財番号 (JC番号:JCNo) : 479480”. 奈良文化財研究所. 2025年4月3日閲覧。

参考文献

  • 環境庁自然環境局野生生物課編 『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物8 植物I(維管束植物)』 財団法人自然環境研究センター、2000年、ISBN 4-915959-71-6
  • 島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧【改訂版】』 九州大学出版会、1997年、197頁、ISBN 4-87378-522-7
  • 新城和治・新島義龍 「ヒナカンアオイ」 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2006年、82頁。
  • 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第7巻 シダ植物~まめ科』 新星図書出版、1989年、141頁。
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』2015年、平凡社

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