ヒト亜族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 16:03 UTC 版)
「ヒト亜族」を参照 1000万年ほど前、地球の気候は寒冷・乾燥期に入り、その結果約260万年前から氷河時代が始まった。その結果起こったことの一つとして、北アフリカの熱帯雨林が縮小し始め、まず開けた草原に置き換わり、ついには砂漠(現在のサハラ)になった。これは樹上生活をする動物に対し、新しい環境へ適応するか、死滅するかを迫るものだった。彼らの環境が一面の森林から、ひらけた平地で隔てられた継ぎはぎ状の森へ変わってゆくにつれ、一部の霊長類は部分的もしくは完全な草上生活へと適応した。ここに至り、彼らはそれまで無害だったライオン・トラなどの捕食者と直面することになった。 一部のヒト亜族(アウストラロピテクス)は、胴体を地面と垂直に保持し後ろ足で歩くという直立二足歩行を身につけることによってこの困難に適応した。また前足(腕)が歩行動作から自由になり、(代わりに)食物を集めるといった動作に手を使えるようになった。ある時点で、二足歩行の霊長類は利き手を身につけた。これにより彼らは棒、骨、石を手に取り、それを武器にしたり、小動物を殺したり、ナッツを砕いたり、死体を切り刻んだりする道具として使うことが可能になった。言い換えれば、それらの霊長類は技術の使用を発達させた。二足歩行し道具を使う霊長類はヒト亜族を形成し、サヘラントロプスのようなその最も初期の種は700-500万年前頃に存在した。 そして最も肝心な事は、直立二足歩行を行う事によって、頭部が胴体の直上に位置するようになった事である。これにより頭部の姿勢が極めて安定し、他の四足歩行の動物と比べ、体躯に比して極めて大型の頭部を支える事が可能になった。ひいては、他の動物に比べてより大型の脳を持つ事を可能にしたのである。その結果、約500万年前からヒト族の脳は大きさと機能分化の両面で急速に発達し始めた。
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