パリアカカとの戦い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/07 00:00 UTC 版)
「ワリャリョ・カルウィンチョ」の記事における「パリアカカとの戦い」の解説
ワリャリョは、最初の創造神ヤナムカ・インタナムカ(ヤナムカ・トゥタニャムカ)を倒し、その地の長(おさ)となり、また神として人々を支配した。彼は口から火を吐くことができ、荒々しい気性で恐れられていた。さらに彼は、人肉を食べる習慣があった。人々に対し、2人以上の子供を持つことを禁じ、2人の子供のうち1人を両親に選ばせると、自分が食べるために差し出させ、もう1人は育ててもよいとした。 別の物語では、こんにちのリマの原型を築いたユンカ族(ヤウヨス地方の人々の隣人)が、高い雪山パリアカカの麓の湖にワリャリョという名の神像を造り、1年のうち決められた時期に子供と女を生贄として捧げていたという。 やがて、卵から生まれたとされる次の創造神パリアカカが、自分の力を試すべくワリャリョとの戦いを決意した。 別の物語では、雪山パリアカカに現れた神パリアカカが、ワリャリョへ人間の生贄を捧げるインディオに対し、自分は人間ではなくリャマと子リャマの血で満足するから人間をワリャリョへ捧げないよう命じている。インディオがワリャリョの報復を恐れていると知ったパリアカカはワリャリョと対決した。 ワリャリョは火を、パリアカカは嵐と洪水(風と雨と洪水)、あるいは水と雹を武器にして争った。異説では、パリアカカは5人の人間で形成されており5方向から黄色と赤の雨を降らせ、稲妻の光も5方向で輝いた。対してワリャリョは巨大な火焔となって対抗した。雨水が低地のウラ・コチャの湖を溢れさせると、5人の分身の1人・リャクサ・チュラパが山を崩して水をせき止めた。ワリャリョの炎は水を被りかけ、パリアカカはそこへなおも稲妻を浴びせた。 戦いの果てに水の力に破れたワリャリョは、鳥に変身してタシュリカ山へ逃げたが、パリアカカの息子が雷で襲ってきたため、多数の双頭の蛇をまき散らしながら、アマゾンの密林へ逃れた。あるいは低地のアンティスーユへ逃れた。残された蛇はパリアカカによって石に変えられた。 また別の物語では、ワリャリョはサウサ地方のアンデスへ追いやられた。さらに雪山パリアカカに変身したパリアカカが、ワリャリョを火山に変えたと伝えている。戦いで生じた湖はパリアカカと呼ばれ、クスコからシウダッド・デ・ロス・レイエスへの途上にあるという。 ワリャリョを成敗した後、パリアカカの息子たちはリャマリャック山へ行き、住民を集め、パリアカカを称揚するための儀式を定めたとも伝えられている。
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